双子の兄は如恵留。 (ページ3)

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如恵留side
@川島家如恵留の部屋
2:30 P.M.

窓の向こうは、ぽつりぽつりと雨が降っている。この雨止みそうにないな…あ、そろそろAが帰ってくる時間だ！そう思い、俺は1階の玄関へ小走りで降りていく。

A)ただいま〜…って、え？のえ兄！？

如)Aおかえり！

A)待って！のえ兄こんなとこいたら風邪ひくって💦

Aは、持っていたカバンを下ろしたり、濡れた傘の飛沫を落としたりと忙しそうにしながらそう言った。

如)大丈夫だよ！…って、ちょ、んん💦

急に、少し背伸びしたAの手が俺の額に触れた。

A)やっぱり、ちょっとだけ熱いよ…氷枕とか色々持ってくから、部屋戻ってて!!

Your side
まさか、のえ兄が玄関で迎えてくれるとは思わなかった。少し赤らんだ彼の顔…もしかしてと思って額に触れれば、やっぱり少し熱くて…

A)…色々持ってくから部屋戻ってて!!

私がそう言うと、のえ兄は肩を落とし、とぼとぼと階段を上って自室へ行った。あれ、やっぱり元気ないのかな？それとも私、マズイこと言ったかな？？

A)のえ兄？入るよ〜

氷枕や午後の薬、ゼリーなど食べやすそうなものを抱えて如恵留の部屋へ入る。

如)……。

え、頭まで布団かぶって丸くなってんじゃん！やっぱ具合悪いんだな…私は彼の顔色をうかがうため、持ってきた物を机に置き、そっと布団を捲った。すると―――

A)わっ！ちょ、のえ兄！？

私が捲るより先に、のえ兄が自分で布団をガバリと捲り、私の腕を掴み引き寄せられた。

如)つかまえた！Aも風邪ひくよ〜？

そう言いながら、のえ兄はいつのまに持っていたのかタオルで私の頭をワシャワシャとしてきた。

A)も〜、のえ兄ってば…wでも、思ったより元気そうでよかった！

そう言うと、突然のえ兄の手が止まった。

A)のえ兄？

如)そう、俺ね…Aや、父さんそれに母さんが思ってるより元気なんだよ…

手を止めて、そう呟き始めた彼は、どこか悲しげだった。