第276話 ページ37
｢しんどそうに見えたんで！｣
『えぇ...。』
少し楽しそうにそう言う玄野さんは、きっといつもの様にマスクの下で笑っているんだろう。
『お優しいんですね。』
なら私も、いつもと変わりなくていいんだろう。そう思い、淡々と言葉を吐いていく。
｢ちょっと変わりやした？｣
少しかがんでこちらを伺いみる姿とは裏腹に、私自身自分の何かが変わったとは思えず、思考を巡らせる。
『そう...ですかね？特に心当たりないですけど。』
ああ、でも...と、不意に言葉が漏れる。
『いいことがありましたよ、最近。』
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玄野side
気づけば俺の右手は彼女の頭の上。
自分でもおかしいことに気づき、咄嗟に手をのけるも、先程のの事実はなんら変わらない。
｢しんどそうに見えたんで！｣
聞くに耐えない言い訳。ああほら、目の前の彼女も触れないようにと頑張って流している。
『お優しいんですね。』
ふわりと笑いながら、そう言ってくれる姿に胸を打たれる。ああ、もっと好きになってしまう。きっとその姿は俺のためだけのものじゃない。
そう分かっているのに。知れば知るほど、惹かれていく。初めて会った時より、ずっと活き活きしているその姿に、そう簡単には言い表すことができない感情に包まれる。
幸せそうに笑うようになった、彼女の事をどれだけ知っているか、なんて聞かれたら口ごもってしまう程度の関係だというのに、一緒にいれるこの時間だけは、彼女のことを誰よりも知った気でいられるから。
｢ちょっと変わりやした？｣
だから、そんな関係だからこそこんな時に違和感を感じる。彼女の表情がずっとずっと、柔らかくなった気がした。
壊理嬢を愛おしそうに見るその目も、大切そうに触れるその手も、ひと仕草ごとに前との違いを感じる。
『そう...ですかね？特に心当たりないですけど。』
合っているのか、それとも俺のただの勘違いか、誤魔化すように彼女はどこかを見る。
｢(このままずっと、こんな時間が続いてくれればいいのになぁ...。)｣
ああ、でも...と少しだけ彼女は嬉しそうに表情を崩す。
｢(でも俺は、君のことが好きだからこそ、悔しい。)｣
『いいことがありましたよ、最近。』
一体誰が君にそんな顔をさせることが出来るのだろうか。
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ペンドラー(プロフ) - ひるたさん» お久しぶりです！読んでくださってありがとうございます！ミニキャラはお気に入りの絵師さん等の絵柄を真似して描いてみるといいですよ！そのいくつかの中からご自身にあったものを選んで極めると楽しいです！ (2019年11月13日 7時) (
レス) id: 4520c74fe9 (このIDを非表示/違反報告)
ひるた - 神ですね。相変わらずの。 お久しぶりです。ひるたです!みにキャラのコツを教えていただきたいでs((( (*ﾉ´□`)ﾉ お願いします！ (2019年11月12日 23時) (レス) id: 5874f3a350 (このIDを非表示/違反報告)
ペンドラー(プロフ) - ユルルルークさん» ありがとうございます！今度時間が空いたら夢主のイメ画とか描いてみると思うのでそちらも見て頂けたら嬉しです！ (2019年8月25日 13時) (レス) id: 4520c74fe9 (このIDを非表示/違反報告)
ペンドラー(プロフ) - ぎるさん» ありがとうございます！そう言っていただけると嬉しいです！夏休みが終わるまでには更新できるようになると思うので、早く終わるように頑張ります！！ (2019年8月25日 13時) (レス) id: 4520c74fe9 (このIDを非表示/違反報告)
ユルルルーク(プロフ) - 絵がすんごい可愛いｯ!! (2019年8月25日 13時) (レス) id: ac46a20481 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ペンドラー | 作者ホームページ：
作成日時：2019年6月10日 19時
