まもりたい (ページ40)

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雛side

忠『さきかえってて！』

雛『え？』

忠『たなかさんをおうちにおくるから』

たぁは何故か体操服を着ていた。
制服はそのカバンの中にあるんやろうか？

雛『たぁくん、制服、シワになるから
帰ってハンガーに干したいんやけど』

忠『あ、うん！ありがとう！』

たぁくんから制服を受け取って、
隆平くんままとしばらくおしゃべりしてたら

『うわっ、きたねーおんなや！』

男の子たちの声が聞こえてきた。
ふと、校舎の方を見ると、
体操服を着た田中さんとたぁくん。
もしかして、たぁくんが体操服なのは
田中さんに合わせたから？

忠『男の子なら女の子まもらなあかんねんで！
そんなこといったらだめ！』

『だって、、、』

忠『ふふっ、また明日ね』

『おぅ！またあした！』

学校に来てわかったこと。
たぁくんは他の子よりも精神年齢が高く、
他人の痛みがわかる子やった。
そして、すごい人気者。

隆母『私達も帰りましょうか』

雛『はい。今日はありがとうございました
参観日、来て良かったです』

隆母『よかったです。ではまた』

隆平くんのお母さんとわかれた。
入学式の日、たぁくんはたった1人で
この道を歩いた。
小学生になったばかりの子が、、、

忠『まま？まま！』

雛『たぁくんっ、、、』

忠『どうしたの？どこかいたい？』

雛『ううん、なんでもないよ。
手繋いで帰ろっか』

忠『うん！』

たぁくんの小さな手が、私の手を掴んだ。
大丈夫、大丈夫と言ってくれてるかのように
優しくて暖かかった。