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「もう21時回っとるけど、帰らんでえんか?」
21時? 嘘? もうそんな時間?
慌てて携帯で時間を確認すると、こーじさんの言う通り慌てて荷物を持って立ち上がる。
「早く帰らないと!」
「門限?」
「ま、まぁ………」
ほんとは21時が門限だったけど、もう過ぎてる。怒られるの確定で帰らなきゃだ。
帰る支度をしながら美波に帰ろうと言うと「私まだ歌いたーい!」なんて、ただをこねられてしまう。困った。
確かに美波には門限ないけど、美波一人ってのはさすがに危ないかもしれないし。
「Aちゃん、美波ちゃんは俺が責任もって送るよ!」
ふっかさんにそう言われても……と、美波に視線を送ると美波も頷いている。
もー!!美波のバカ!!
盛り上がる二人を一人困って見ていると、グイッとこーじさんに腕を引っ張られた。
「こうなったらしゃーないし。Aちゃん送るからおいで」
「え、ちょっと……!」
待ってって言う前に、既に荷物を持たれて部屋を連れ出されてしまう。
ほんとに美波大丈夫かな?
明日学校でちゃんと会える?
不安を抱えたまま駅までの道をこーじさんと歩いていて、背の高いこーじさんはチビな私の歩幅に合わせてくれる。
まだ夏を迎える前の夜風はひんやりしていて、帰ったら怒られるという不安と美波への心配から自然と会話はなかった。
駅について、私から口を開く。
「あの、もうここで大丈夫」
「ほんまに? 今の時間変なん多いし家まで送るで?」
直ぐ側に酔ってるおじさんがいてちょっと怖かったけど、まだ本当に信用したわけじゃないこーじさんと帰るのも危険なような気がして断りをいれた。
「本当に大丈夫!今日はありがとうございました!」
頭を下げて最後にこーじさんを見上げると、呆気にとられた表情と鉢合わせする。
首を傾げたと同時にクスッと笑われて、「ナンパして初めてお礼言われたわ!」だって。
「え? でも、奢ってもらったし…送ってもらったし」
「Aちゃんは、ええ子やなぁ」
いえいえ、そんなことはないですよ?
「ほんなら、一つお礼してもらってもええか?」
「お、お礼って?」
目をパチパチ瞬かせていると、こーじさんが自分の頬を指で押した。
酔っているのか、その頬はほんのり赤く染まっている。
「お礼に、Aちゃんチューしてや」
ち……ちゅちゅちゅー?!
「ちゅうぅぅう?!」
どうしてそうなる?
しかも、まだ人の多い駅前で!!
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ゆきんこ(プロフ) - ももさん» ももさま!コメントありがとうございます😭🙏 あまりコメント頂けないので面白くないんだろうなって思ってたのでとても嬉しいです😆 最後まで楽しんでもらえるように頑張ります!! (2022年3月19日 9時) (レス) @page38 id: aab9c47478 (このIDを非表示/違反報告)
もも(プロフ) - 恋の始まりのキュンをいただきました(^^)くーっ!続き楽しみにしています。 (2022年3月18日 23時) (レス) @page39 id: 32975d39fb (このIDを非表示/違反報告)
ゆきんこ(プロフ) - みぃ。さん» みぃ。さーーーん!!コメントありがとうございます😆待ってたって言葉が嬉しいです!!ありがとうございます😊頑張ります♡♡ (2022年3月10日 9時) (レス) id: aab9c47478 (このIDを非表示/違反報告)
みぃ。(プロフ) - こんにちは!待ってました、🧡さん!更新楽しみにしてますねっ! (2022年3月10日 7時) (レス) @page6 id: fb4296a570 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆきんこ | 作成日時:2022年3月9日 23時