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車だと本当に直ぐに着いてしまう。


「はい、到着。今日は門限余裕やな!」


小さなアパートの前に着いてしまった。
門限は21時、今は18時ちょっと回ったとこでかなり余裕だ。
しょんぼり黙っていた私の頭にポンと掌が乗る。




「どないした?」


穏やかな空気に包まれているのに、そわそわと落ち着かなくなる。
き……聞いてもいいのかな?

携帯番号。

「あ、あの……」
「ん?」


なかなか言い出せない。
でもこーじさんは静かに待っていてくれた。

美波だって自分から聞いたって言ってたし……

勇気だして聞けっ! 私!



「ケッ…」
「け?」
「携帯番号教えてくださいっ!?」


いっ、言えた――――っ!!

ふぅと息を吐いて、チラチラとこーじさんに視線をやると、「ぷっ…あは…あはははは!」と笑われた。

なんで? 私なにした?


わけがわからず首を傾けたら、ポンポンと肩を叩かれた。
そしてまだ笑ってるし。



「いやーごめんやで。そんな張り切って聞かれたことないからおもろうて」
「ひどい……」


私は一生懸命だったのに面白いなんて悲しすぎる。


「ええよ、ほな……」


ポケットから小さなケースを取り出し、そのケースから出した小さな紙にペンで何やら書いていく。
書き終わったこーじさんはペンをしまうと「オホン! こう言う者です」なんて、ちょっとかしこまって小さな紙を渡してきた。


名刺だ。

テレビとかで見たことある、大人たちが渡し合うやつ。
初めて名刺を受け取り、凄いと舞い上がる。



「後でここにメッセージ入れといてや」
「う、うん!!」


バンドルに身体を預けてにこやかに微笑むこーじさんにお礼を言って車から降りた。
乗り心地の良いシートにもう少しくるまれていたかったけど、番号も手に入れることができたし私にしてはよくやった。


「ほんじゃ、またな」
「はい! 送ってくれてありがとうございました!」


もう一度お礼を言ってこーじさんを見送った。

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設定タグ:SnowMan , 向井康二 , 深澤辰哉   
作品ジャンル:恋愛
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ゆきんこ(プロフ) - ももさん» ももさま!コメントありがとうございます😭🙏 あまりコメント頂けないので面白くないんだろうなって思ってたのでとても嬉しいです😆 最後まで楽しんでもらえるように頑張ります!! (2022年3月19日 9時) (レス) @page38 id: aab9c47478 (このIDを非表示/違反報告)
もも(プロフ) - 恋の始まりのキュンをいただきました(^^)くーっ!続き楽しみにしています。 (2022年3月18日 23時) (レス) @page39 id: 32975d39fb (このIDを非表示/違反報告)
ゆきんこ(プロフ) - みぃ。さん» みぃ。さーーーん!!コメントありがとうございます😆待ってたって言葉が嬉しいです!!ありがとうございます😊頑張ります♡♡ (2022年3月10日 9時) (レス) id: aab9c47478 (このIDを非表示/違反報告)
みぃ。(プロフ) - こんにちは!待ってました、🧡さん!更新楽しみにしてますねっ! (2022年3月10日 7時) (レス) @page6 id: fb4296a570 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ゆきんこ | 作成日時:2022年3月9日 23時

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