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「緊張しとん?」


ちょこんと座っている私を見て言ったんだろう。
コクンと頷くと、車は静かに発進した。



「緊張せんでええよ。変なことはせえへんから」
「変な…こと?」


例えば何だろう?

拉致監 禁?

……なわけないし。


「このまま拉致ってなんてことはせえへんよって」
「なっ!?」


まさか、本当に拉致ですか!?
目を見開いて運転手を見つめると、チラッと横目で笑われる。


「待て待て! 俺がそんなんするよぉに見えるんか?」


ブンブンと即答で首を振った。
すると「よろしい」と、嬉しそうに笑みながら手際よくハンドルを操作した。


今日はなんで待ち合わせしたんだろう?と疑問が過ぎる。
ふかふかのシートにようやく安心して身を任せられるようになって、私はふと思った。


あれ? この道って………。



「もうすぐ家着くからな」


窓の外の見慣れた景色。やっぱりと、頭を垂れる。こーじさんは、私の家に向かって車を走らせてるみたい。


「Aちゃん、捨て猫みたいやったからな〜」


会話がなくなった車内に聞いたことのあるバンドの曲が流れていた。

誰だったっけ?
思い出そうとしていた時、”捨て猫”と言われた私はまた目を丸くした。
真っ直ぐ前だけを見て運転するこーじさんは、また言葉を続ける。


「昼別れる時クリクリの目で見上げられて、ああ捨て猫が拾って下さいって言うてるわって思ってん」
「私そんこと言ってない……」


寂しいとは、ちょっと思ったけどさ。


「俺の仕事手伝おうと思ってくれてたんやろ。
また行った時、手伝って言うたん俺やったのになぁ」


読まれてる。

何で気づいてしまうんだろう?

私ってそんなにわかりやすい?


「やからお詫びに、子猫ちゃんを家まで送ってあげようと思って今に至るわけや」
「そんな…わざわざ良かったのに…」


バイト先から家までは電車で一駅の距離なのに。

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設定タグ:SnowMan , 向井康二 , 深澤辰哉   
作品ジャンル:恋愛
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ゆきんこ(プロフ) - ももさん» ももさま!コメントありがとうございます😭🙏 あまりコメント頂けないので面白くないんだろうなって思ってたのでとても嬉しいです😆 最後まで楽しんでもらえるように頑張ります!! (2022年3月19日 9時) (レス) @page38 id: aab9c47478 (このIDを非表示/違反報告)
もも(プロフ) - 恋の始まりのキュンをいただきました(^^)くーっ!続き楽しみにしています。 (2022年3月18日 23時) (レス) @page39 id: 32975d39fb (このIDを非表示/違反報告)
ゆきんこ(プロフ) - みぃ。さん» みぃ。さーーーん!!コメントありがとうございます😆待ってたって言葉が嬉しいです!!ありがとうございます😊頑張ります♡♡ (2022年3月10日 9時) (レス) id: aab9c47478 (このIDを非表示/違反報告)
みぃ。(プロフ) - こんにちは!待ってました、🧡さん!更新楽しみにしてますねっ! (2022年3月10日 7時) (レス) @page6 id: fb4296a570 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ゆきんこ | 作成日時:2022年3月9日 23時

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