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結局遊びたい欲に負けた私たちはお兄さんたちに着いてきてしまった。場所はカラオケ。
人がいっぱいいるし、いざとなればマイクをONにして叫べば大丈夫だよね。
そう二人で考えながら、ちょっと緊張気味に大人しく席に座っているとニット帽のお兄さんがメニューを渡してくれた。
「腹減っとんやろ? 遠慮せんと好きなん食い」
メニューを覗きながらチラリとお兄さんを盗み見るとニコッと人の良い笑みを向けられ、私は慌ててメニューにまた視線を戻した。
「私、ピザがいい!飲み物はオレンジジュースお願いしまーす!」
ええっ? もう決まったの?
隣で手を上げて元気よくお願いする美波を見て、さらに慌てる。
「ゆっくりでええよ」
「じゃ、じゃあ、ピラフとメロンソーダーを…」
「ん。 なぁ、ふっかさんはなにすんねん?」
「ああ、俺はとりあえずビール。んで適当につまみ頼んでよ」
「あいよー」
部屋の電話を耳と肩に挟んでメニューを見る、暫くして店員に注目をしだすお兄さんをジーッと見つめていた。
お兄さんたちの名前を聞いた。ピアスの人がふっかさん、ニット帽の人がこーじさんというらしい。
自己紹介をしている間に頼んだものが運ばれて来て、私たちが頼んだピザとピラフ以外はほんとお酒のつまみってのばっかりだった。
「へぇ、美波ちゃんたち高一なんだ。じゃあ、俺ら犯罪になんじゃん」
犯罪なんて言いつつふっかさんはケラケラ笑い飛ばす。
そんなふっかさんが頼んだビールは既にジョッキの半分もなかった。
「確かに犯罪かもな。 俺は二十七歳やし。ふっかさんなんか今年三十路のおっさんやで」
「おっさん言うな!」
同じくビールを飲みながら、悲しそうに涙を拭う振りをしてみせたこーじさん。
ずっと感じていた違和感。なんだろうって考えてハッとした。
「こーじさんって、関西の人?」
ここにいるこーじさんを除いての三人は標準語なのに、聞き慣れない方言で話すこーじさんに違和感を感じてたんだ。
「ほほおん、正解や! 関西の田舎町から上京してきたんよ」
「上京して来てもう何年も経つってのに、まだ関西弁が抜けねえんだよなぁ」
「ええやん別に。 初心を忘れんためやで」
「なんのだよ(笑)」
盛り上がるお兄さんたちを見ている内に、私たちの緊張も次第に解れていった。
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ゆきんこ(プロフ) - ももさん» ももさま!コメントありがとうございます😭🙏 あまりコメント頂けないので面白くないんだろうなって思ってたのでとても嬉しいです😆 最後まで楽しんでもらえるように頑張ります!! (2022年3月19日 9時) (レス) @page38 id: aab9c47478 (このIDを非表示/違反報告)
もも(プロフ) - 恋の始まりのキュンをいただきました(^^)くーっ!続き楽しみにしています。 (2022年3月18日 23時) (レス) @page39 id: 32975d39fb (このIDを非表示/違反報告)
ゆきんこ(プロフ) - みぃ。さん» みぃ。さーーーん!!コメントありがとうございます😆待ってたって言葉が嬉しいです!!ありがとうございます😊頑張ります♡♡ (2022年3月10日 9時) (レス) id: aab9c47478 (このIDを非表示/違反報告)
みぃ。(プロフ) - こんにちは!待ってました、🧡さん!更新楽しみにしてますねっ! (2022年3月10日 7時) (レス) @page6 id: fb4296a570 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆきんこ | 作成日時:2022年3月9日 23時