02 / 淡い恋の芽生え ページ16
「ほな今日は付き合ってくれてありがとな!」
家の前に着くと、かなりあっさりと引き返す。
あっさりしすぎて何も言えないままバイバイと小さく手を振りながら見送った。
「あっ!」
突如立ち止まり、くるりと振り返る笑顔に私は首を傾げる。
「またAちゃんのバイト先行くから、そん時はお手伝いしてな!」
その言葉を聞いた途端、私の表情はパッと晴れたことだろう。
「もちろんです!」
「ほな、バイバイ」
「バイバイ!」
今度こそ振り返ることなくこーじさんの後ろ姿は消えて行った。
「うふふ」
また会えるのか。早く会えたらいいな。
浮かれながら玄関に入って、私は血の気が引く思いをする。
「Aっ、何時だと思ってるの!?」
「ごっ、ごめんなさーいっ!!」
21時03分。
ちょっと間に合わなかった……、くそぉ。
.
こーじさんと出会った日から数日が過ぎた。
けどこーじさんはまだバイト先には来ていない。
「昨日はね、辰哉くんと映画行ったんだ!」と、嬉しそうに話す美波。
いいな〜と羨ましがる私。
「ねえ、Aは?」
「なにが?」
「だから、Aは康二さんとなんかなかったの?」
「……ないよ」
聞かれるまでもない。あれからこーじさんとは何もない。
あるはずがない!
だって、会えないんだもん。
「連絡先交換してるんでしょ?」
連絡先?
「して……ない」
「うっそー!?」
有り得ない!と、何故か私の代わりに怒る美波。
言われて気づいた。私こーじさんの連絡先知らない。
何度も交換する機会はあったはずなのに、タイミングがなかったし聞かれなかったから。
「みっ、美波から聞いたの?」
「そうだよ。だってかっこいいし優しいし奢ってくれるし!やっぱり彼にするなら年上がいいよね〜!」
どんな理由だよ。
思わず突っ込みそうになるのも我慢した。
そんなこと言う美波だけど、美波には同級生の彼氏がちゃんといるのに……バレても知らないからね。
「何の話? 楽しそーじゃん」
「ラウ」
「お子様はお呼びじゃない」
「なにそれ。意味わかんねえし」
美波の発言に肩をすくめながら、隣の席に座ったのはラウール。
お父さんが海外の人で学校一顔がよくて背も高い。上級生のお姉さまたちからも人気があったりする。
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ゆきんこ(プロフ) - ももさん» ももさま!コメントありがとうございます😭🙏 あまりコメント頂けないので面白くないんだろうなって思ってたのでとても嬉しいです😆 最後まで楽しんでもらえるように頑張ります!! (2022年3月19日 9時) (レス) @page38 id: aab9c47478 (このIDを非表示/違反報告)
もも(プロフ) - 恋の始まりのキュンをいただきました(^^)くーっ!続き楽しみにしています。 (2022年3月18日 23時) (レス) @page39 id: 32975d39fb (このIDを非表示/違反報告)
ゆきんこ(プロフ) - みぃ。さん» みぃ。さーーーん!!コメントありがとうございます😆待ってたって言葉が嬉しいです!!ありがとうございます😊頑張ります♡♡ (2022年3月10日 9時) (レス) id: aab9c47478 (このIDを非表示/違反報告)
みぃ。(プロフ) - こんにちは!待ってました、🧡さん!更新楽しみにしてますねっ! (2022年3月10日 7時) (レス) @page6 id: fb4296a570 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆきんこ | 作成日時:2022年3月9日 23時