星は主役の夢を見るか【d!!】×【S.k.y】 (ページ6)

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　俵担ぎにされ、ぼぅっと建物の中を眺める。
抵抗せずに抱えられたまま、歩くテンポに合わせてAはゴトゴトと揺れる感覚を味わっていた。何か話すでもなく、二人はただ歩いている。勿論どこかに向かっているのだが、Aに知る権利などない。分かるとしたら、そこは幹部会議とやらを行う場所なのだろう。幹部の規模なんて知らないし推測もする必要が無い。ただ、この拘束が解かれた瞬間にでも飛び出せば良いのだから。
そんなことを考えていると、不意に琥珀――シャオロンと言うらしい――がウワッと声を上げた。
「え？シャオロン、どうしたん？」
「眩しっ……なんやあれ、変な光が見える」
「光……？俺には何も見えへんけど」
　その言葉に、Aはハッと息を飲んだ。顔を勢いよく上げると、眩しい光が見えた。

「あれは……！離してください、あの子は私の使命の対象です！」
「は、ぁっ！？そんなんで離せるわけ……！」
「離してください、離せっ、あの子を星に送り届けなきゃっ！」

　鬼気迫るようにまくし立て、シャオロンの腕の中でもがく。それが衝撃的だったのか、光が眩しいのか。シャオロンの腕が緩んだ瞬間、ドタリ、とAは床に落ちた。
腕が使えないが、そんなのは関係ない。すぐに立ち上がり、足がもつれるのも無視して走った。廊下の隅に蹲る、まだ小さな星の子。星に還るべき子。Aの、使命。
　光の子の前に座り、にっこりと笑ってみせる。そして、光を受け取る形で羽に加え、その輝きは失せていく。
「安心して。あなたは私が星へ導きます……だから今はどうか、力を貸してください」
体の中に温もりを感じる。星の子としての意識はないが、生命の塊である。言わば魂である光の子に優しく声をかけた。
　ふと大きな影が自分を覆う。振り返って見上げてみれば、それはシャオロンだった。
「今の、って」
「私が賜った使命です。この子たちを星へ導くこと。それが私の使命であり、存在する意味」
「シャオロン、何が見えたん？何が存在したんや」
「い、や……分からん……突拍子が無さすぎる」
「はぁ……？」
「理解は不要です。出来もしないのですから」
　冷たく言い放つと二人は黙り、Aは再び抱えられた。
今度はシャオロンが見た光について話していて、無言では無かった。