星は主役の夢を見るか【d!!】×【S.k.y】 (ページ4)

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　Aの言葉に、二人はより一層警戒を見せる。琥珀と神の字がこちらを注視し、Aは何かをすることもなく微笑んだままだった。かといって顔に被ったままの仮面で表情は分からないのだが。素顔を晒していないことも警戒の要因だそう。
「その仮面外してくれるんやったら話してやってもええんやけどな」
　琥珀の瞳にあからさまな棘を含んで提案される。Aにとって仮面を外す理がない。彼らと対話する必要もないし。
星の子にとって、定住する場所は必要ない。光さえあれば生命活動は可能である。
「私にその必要はありません。倒れているところを保護していただいたことは感謝しますが、此処から去る私にはあなた方との対話は不要です」
　二人を視界から外し、窓に近づく。不用心に鍵の開いた窓を開き、吹いた風に髪が揺れる。
「では私はもう出ます。保護してくださりありがとうございました、私のことは是非忘れてくださいね」
　窓の縁に足をかけ、飛び立とうと足に力を込めた。

「ッ待って！」

　ケープを掴まれ、後ろへと引き戻される。ぽすり、と男の腕の中に納まった。もがこうとするも、しっかりと腕を拘束されている。声からして、神の字を持つ彼だろう。頭上から「え、軽い……」と驚愕の声が聞こえた。
後ろに腕が拘束されているのはどこかちゃっかりしていて薄気味が悪い。身動きがとれなくなったのに観念してAはもがくのをやめた。
「大丈夫。俺らは君が何もしない限り手を出さへん」
「いえ、私は何もしていないのに手を出されました」
「それは君が逃げようとするからでしょ？」
「逃げる……なるほど、こちらの世界の生命体はこの行動を"逃げる"と理解するのですね。ならば仕方ありません。私は行かなければいけないところがありますので、失礼します。拘束を解いてください」
　無感情に、抑揚のない声で話すA。そんなAに不気味さを感じたのか、一層腕の拘束は強くなった。
Aがそんな状態に呆れていると、窓から飛び出そうとしてから静かに呆然としていた琥珀が口を開いた。
「さっきからなんなんや、お前。使命とか、こちらの世界とか……生物兵器とちゃうんか」
「生物兵器？私を兵器如きと同じにしないでください。私は神より使命を賜った、れっきとした星の子なのですから」
　Aの返答に、琥珀が顔を顰めた。