ガバガバエゴイストとあそぼう！【d!】【男主】 (ページ28)

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Evolve！─7 ページ28

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道無き道を行き、トントンは荒れ果てた故郷に目を伏せる。
これまでは人類を脅かすから、っとモンスターの退治を正当化してきた。…でも、今回のは違う。

仲の良かった【少年】の家も、よく通った菓子屋も全部壊されていた。あのゴライアスが、モンスターが壊し尽くして。
でもどこか懐かしいような気もして、いまいち殺意を持ちきれへんかった。…やから回復役に徹した。本当なら、火炎グレネードもあったのに。

既視感のある景色を繰り返し、辿り着いたところにはたと気付く。

tn「…ここ、」

「俺らの秘密基地やん」

それに反応したのか、ゴライアスは素早く振り返ってこちらを見る。

まるで、反省した悪戯っ子の様な瞳を向けて。
瞬間、ぶわりと何かが込み上げてくる。

涙？感情？

違う、これは───────

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『っ、嫌やぁッ！！！トントンッ！助けてぇや！！！！！』

「離せや！！！オイ！！！！！！！───ッ！！！離せ！！！！！」

『とん、と、ったすけ、！』

ぽっかりと空いた記憶。
気付いたら居なくなっていた幼馴染みの彼奴。

目の前のモンスターは、彼奴やって言いたいんか？

突然涙を流し始めたトントンに周りの三人は驚き、ゴライアスとトントンを交互に見る。
慌てて本部にいるエーミールに通信をかけようとするロボロ、どうしたら良いのか分からずおろおろとするゾム、呆然としながら立ち尽くす鬱。

ゴライアスの意識にも変化があった。

記憶にあるぐちゃぐちゃとした何かの欠片は形を作り上げ、まるで綺麗にパズルが完成したかのようにトントンとの記憶は鮮明になり、自分の存在もようやく理解した。

tn「ッ………なぁっ、よかくん、」

『……、』

なんや、と言いたげな目で視線をこちらに向けるゴライアス。
トントンの声は震えて、傍から見れば殺されることに恐怖する姿だろう。それでも、この二人の間にはそんな空気すら存在していない。
蚊帳の外だろうと察した三人は静観を決めた。

tn「今更やろうけどっ……助けても、えぇか？」

『──────、(もちろんやで。)』

一人の少年が、目を細めて小さく鳴いた。