キズナ【イナズマイレブン】 (ページ32)

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スレチガイ08 ページ32

タツヤと玲名は両思いなんじゃなかったの？だから私はタツヤを嫌いになろうとしていたのに。……それを抜きにしても、私がヒロトの許婚だって事実は変わらない。私はタツヤの彼女になんてなれやしないんだ。

だから、

「私は……私は、ヒロトの……っ！？」

だからごめんねって、言おうとしたのに。�を挟まれ、無理やり前を向かされる。驚く間もなく彼は顔を私に近づけてきて、口づけをした。

彼の体温が唇から伝わってきて、硬く積み上げてきた壁がゆっくりと溶かされていく。自分でもちょろいな、って思うけど。

でも、彼からキスしてきたっていうことは、私を特別視しているからなんだろう。

どんなに嫌いになろうとしていても、心の底では想い続けてしまう。それが恋っていうものなんだ。

確かに私は、ヒロトの許婚だ。でも、それでも。どうしようもないくらい、私は基山君のことがーー好き。

少し長く感じたキスは、タツヤがいきなり顔を離したことで終わった。彼は顔を真っ赤にし、口を押さえる。そんな彼を見て、思わず笑みが溢れた。どうやら長かったのはキスしたままフリーズしていたから……のように思える。

「……基山君ってさ、モテるよね」

「え？」

「なのに、全然女慣れしてない」

「～～～ッ！！き、キスなんて初めてしたんだから仕方ないだろ！？」

思ったことをそのまんま言ったら、ただでさえ赤かった顔がもっと赤くなり、顔から火が出そうになっていた。

「はいはい、そうね」

少し笑いながら言うと、タツヤは目を泳がせながら聞いてきた。どうやら顔も見れないらしい。

「なんでAは平気なんだ？ふ、普通はもっと恥ずかしがるんじゃ……」

「んー？私は恥ずかしいよりも、嬉しい、かな？」

私はとても嬉しそうに、しかし少し恥ずかしげに笑った。

ーENDー

余談。
3人の紳士(士郎、アフロディ、タツヤ)の中で1番色恋沙汰に慣れていないのはタツヤだと思う。