キズナ【イナズマイレブン】 (ページ3)

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トモダチ03 ページ3

「お待たせいたしました。2名様でよろしいでしょうか？」

いつのまにか最前列に来ていたらしく、女性スタッフに声をかけられた。リュウジは返事ができなさそうだったので、Aがはい、と頷く。

「本日は魔女の館においでくださり、ありがとうございます」

そう言ってぺこりと頭をさげるスタッフさん。そのスタッフさんはスラスラと淀みなく魔女の館の解説をしている。

「……その魔女は何千年も前に亡くなったとされていますが、この館の内部を回るツアーを企画した際に諸々の確認のために入ったツアーガイドが行方不明になるという事件が起きまして。それで私はそのツアーガイドを探しに中に入りましたが、ご安心ください。中には誰もいませんでしたし、私もこの通りピンピンしてます。まあ、最近この近くで失踪事件が多発しているのでそれは魔女の仕業ではないかという噂もありますが、先ほど申し上げた通り中には誰1人いなかったので魔女とは無関係だと思いますよ」

あっけにとられたように話しを聞いていると、「どちらが持ちますか？」とライトが差し出された。

それにリュウジは無言でAにグーを出してきたので、彼女もグーを出す。

「ジャンケン……」

「「ポイ！」」という掛け声とともにリュウジがパーで、Aがチョキを出す。

リュウジはしょんぼりしながらライトを受け取り、Aを睨む。

「さ、いきましょか」

Aは笑顔でリュウジの肩を掴み、前へと押す。暗闇に入ると、スタッフさんが勢いよく扉を閉める。

「おー、ひんやりしてて雰囲気出てるねぇ」

「なんでそんな楽しそうなんだよ……」

リュウジに合わせて前に進んでいくと、いきなり横から手が出てきた。

「っ！」

彼は声こそ出さななかったものの、盛大に肩を跳ね上げたのが掴んでいる肩から伝わった。Aはリュウジに「大丈夫、大丈夫」と呪文のように言い続けていた。

また少し進むと、不意にダダダダダと何かを叩く音が聞こえた。今度はあまり驚いていない様子で、Aは冷静に「段ボール叩いてる音だ」と分析していた。

すぐに第1の部屋に着いた。そこは特に何もなく、クッションやら布やらが散乱しているだけの部屋だった。リュウジが安心したように息をつくと、突然先ほどと同じ段ボールを叩く音が聞こえてきた。

「わっ！」

完全な不意打ちに驚くリュウジ。それに対しAは「段ボール叩いてる音だよ」と告げた。

「なんだ、そっか…」

「さ、次行こ、次」