キズナ【イナズマイレブン】 (ページ26)

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スレチガイ02 ページ26

いろんな場所がヒリヒリと痛む。

「あの野郎、容赦なしに殴りやがって……」

ブツブツと呟きながら乱暴にドアを開ける。怪我をした時はいつも自分でどうにかしていた。保健室に行くと痛いから嫌だ。自分でも子供っぽいとは思うが。

「………」

なのにどうだろう。ドアを開けたらAがいた。なんでよりにもよってコイツなんだ。保健室に連行されるだろ。

「あ、ヒロト？やっと戻って…どうしたのそれ！？ちょ、きゅ、救急箱……いや、保健室！行くよっ！」

慌てて救急箱を引っ張り出してきたが、薬か包帯かは知らないがとにかく何かが足りないらしく、やはり保健室行きが決定した。

「……っ！おい、引っ張んなよ！このくらいどうってこと……い゛っ！」

「痛むんなら文句言わない！」

理不尽だ。というか怪我人を引っ張るなんて頭おかしいだろ。

そんなことを頭の端で思いながら保健室へと連れて行かれた。

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Aはテキパキと処置をしていく。消毒をかけて絆創膏を貼り、傷が大きい箇所にはガーゼを貼って包帯を巻いていく。

「このくらいほっときゃ治るっつーの」

「痕ついたら大変でしょ。一応、御曹司なんだから」

一応を強調して言われたので文句を言おうとしたが、まあその通りなので言ってやりたいのをぐっと堪えた。

「……っと。ほんっとにもうこういうことしないでよね」

「……さあ、どーだろうな」

肩を竦めてそういうと、使った備品を戻しに行こうと立ち上がるAの腕を引き、再び座らせた。
そのまま腰に手を回すと彼女は俺の胸にすっぽりと収まった。

「ちょ、なにして……！」

「別にいいだろ。誰も見てねーんだし」

抵抗するAを押さえ込み、肩に顔を埋めるとほんのりと彼女の匂いがする。……変態か。

だけどこっちのほうが癒される。主にささくれだった心に、な。

「……喰いたい」

「何を？大抵の物は買って食べれるでしょ」

「字が違えよ」

「？？」

「……まあ、いいけどよ」

もう少し。もう少しだけ、このまま。彼女の温もりを感じていたい。

そう言うように、俺は彼女を抱きしめる力を強めた。

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