キズナ【イナズマイレブン】 (ページ14)

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ナカマ05 ページ14

突っかかってくるアツヤを宥める士郎にそう言われ、言葉に詰まる。だが、士郎は気に留めることなく微笑んで言った。

「楽しんでいこう」

「え、あ、うん」

曖昧に頷くと士郎は「みんな位置について！」とみんなを散らした。

“勝利の女神”AA。世界の頂点に立った天才プレイヤー。その正体は白兎屋Aだった。

「我々は勝利の女神の復活をこの目で観ることができるようです！」

ーーー怖い。

もしも負けてしまったら？みんなのーー観客の期待に、応えられなかったら？

そんなネガティブな考えが頭の中をぐるぐると回る。

「さあ、キックオフ！」

そんなAを無視し、試合が、始まった。

アツヤが上がり、それに続いてなえと士郎も上がり、完璧な連携でパスを繋いでいく。それを見てAも上がろうとするが、ボールを持っている氷上にスライディングを仕掛ける雪ノ成MF、山鹿を見て、このタイミングだと避けられないと判断しその場に止まる。

彼女の予想通りボールが奪われ、雪ノ成中が切り込んでくる。

「“スノーボール”！」

ボールが雪に覆われて、その名の通り雪玉が出来上がり蹴りつける。Aはシュートの軌道の前に立ち、ふわりと両腕を上げた。それと同時に背後にキラキラと輝く氷の粒が浮かび上がる。

「“ダイアモンドダスト”……」

呟くとその氷粒がボールにまとわりつき、ボールは勢いをなくした。彼女はそれを胸で受け止め、士郎にパスを出す。

「オオオオォォォォ！」

「止めたぁーー！“勝利の女神”完全復活だぁーー！」

「アツヤ！」

「おう！」

士郎がボールを上げ、アツヤが上から蹴るとボールが凍る。そこに回転して勢いをつけた2人が同時に蹴る。

「“ホワイトダブルインパクト”！」

「“アイスウォール”ッ！……ぐ、わあぁぁぁぁ」

雪ノ成中ゴールキーパーが氷の壁を出すが、士郎とアツヤの必殺技に耐えきれず粉々に粉砕しゴールに突き刺さった。湧き上がる歓声の中、士郎とアツヤがハイタッチをする。

「A姉、アレや！ウチらも連携技一発かましたろ！」

「そんなのやったことないでしょ。ぶっつけ本番でやるつもり？」

「うん！」

突如Aの隣に姿を現したなえに雪ノ成中の人は驚くが、彼女はそれに慣れているようだった。

「ウチとA姉の必殺技！絶対最強だと思わん？」

「思わないしやらないから。ほら、“トリプルブリザード”、決めてきな」