キズナ【イナズマイレブン】 (ページ11)

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ナカマ02 ページ11

「んー、じゃあ、カズに聞いてみるね」

カズとは、彼女のクラスメイトである櫻井和馬のことだ。スポーツ万能な彼の方が自分が入るよりも良いだろうと考えてのことだった。

ポケットからスマホを取り出し、操作しているとすっと横から手が伸びてきてスマホを取られてしまう。

「あ、ちょっと」と抗議の声を無視し、士郎はシュポッと小気味良い音を鳴らしながらメッセージを送信してからスマホを返した。

慌ててトーク画面を見ると、途中まで打ってあった文章に加え、『やっぱり大丈夫！』と送ってあった。

「士郎……」

「僕はAちゃんがいいの」

「やだ。私観る専門だもん」

「ダメ？」

「ダメ」

「お願い！」

士郎は上目遣いで言う。そこらの人なら一発ノックアウトの表情だ。

「そんな目で見てもダメ！」

「えー……」

士郎がアイコンタクトをすると、なえがひょこりと後ろから顔を出す。

「A姉、試合出えへんの？」

「だーかーらー、観る専門だって言ってるでしょ？」

「ウチ、A姉と試合出れる思うて楽しみやったのに……」

肩を落とすなえの頭に手を乗せ、珍しく慰めるアツヤ。「そんなこと言われてもねぇ」と呟きその光景を見守るAだったが、チラチラとこちらに目線を送ってくるなえに気づくと気まずそうに視線を落とす。