4 ページ4
退勤時間となり、川尻さんと一緒に会社のロビーで奨くんを待つ。
「今日行くお店の話、知ってる？
奨くんが働いてる会社が運営してるお店らしいよ
昨日LINEで自慢気に送ってきてさ、マジでおもろい」
ニヤニヤと笑いながら話す川尻さんを見て、今朝のことを思い出した。
「そういえば、ドヤ顔で『いいお店予約したから』みたいなこと言ってました！
そういうことだったんですね〜」
私たちはお互いの話を聞いて、奨くんの言動に対して納得していた。
奨くんは「少しだけ高級志向」をコンセプトにした外食チェーン企業の社員として働いていて、自社ブランドのお店に連れて行ってくれることも少なくない。
高級志向をうたっているだけあって、お店の雰囲気も料理もオシャレな感じで好印象なのは間違いないけど。
「2人とも、お待たせ！」
駆け足でこちらにやってくる奨くん。
私たちは奨くんに手を振った。
「じゃ、行こっか。」
奨くんに連れられた場所は「Winered Modern」というお店。
ここは和牛を使った料理をメインに扱うレストランで、私も何度か行ったことがある。
黒を基調とした制服を身につけたホールスタッフがこちらにやってきた。
白い肌と猫目が特徴の美しい顔、品性と色気を兼ね備えた まるで王子とでも呼ばれていそうな雰囲気。
どこかで見たような気がする。
いや、確実に知っている。
あの人は私の高校時代の元カレ 白岩瑠姫だ。
これはまずい。
とにかく奨くんには悟られないようにしないと。
私は平静を装って案内された席に座る。
るっくんが私たちから離れたタイミングで、彼のことについて考え込んでいた。
私は今でもるっくんのしてくれたことは忘れない。
るっくんは私を笑わせてくれた。癒してくれた。
お腹いっぱいになるくらい愛してくれた。
そして、私はるっくんのしたことを忘れない。
るっくんは私を疑った。罵った。
そして、私を捨てた。
本気で大好きで、本気で大嫌いだった人。
奨くんと結婚できて幸せだと思ってたのに。
会いたくなかったな。
私の心は奨くんに預けたはずなのに
あの時みたいに、またるっくんに心を揺さぶられそうだから。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 185人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
プルメリア(プロフ) - ささん» 2作とも読んで頂きありがとうございます！ 嬉しいです！ こちらの作品優先にはなりますが、どちらも更新お待ちいただければ幸いです！ (11月7日 20時) (
レス) id: f9f8715533 (このIDを非表示/違反報告)
さ(プロフ) - 二つの作品一気に見ました☺️どちらもとても面白くてこれからも楽しみにしてます🎶 (11月7日 17時) (レス) @page19 id: 3db943dc83 (このIDを非表示/違反報告)
プルメリア(プロフ) - 3yjxQciJV7r5zPBさん» コメントありがとうございます！ そう言っていただけて大変嬉しいです！ 続きをお待ち頂ければ幸いです！ (11月5日 23時) (レス) id: f9f8715533 (このIDを非表示/違反報告)
3yjxQciJV7r5zPB(プロフ) - すごく面白いです！続きが気になります！ (11月5日 23時) (レス) id: de847680fb (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：プルメリア | 作成日時：2023年11月1日 11時
