葛藤 ページ17
-光輝 side-
光輝｢ここがナイトリングか…｣
バスケの大会前日に
とある提案をされた俺は、
今日が大会だと言うのに高校生の俺には
無縁なはずのホストクラブへ足を運んだ。
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黒岩｢ボクシングをやっていたそうですね？
…しかもかなり本格的に｣
どこから情報を仕入れたのか…
バイト終わりに偶然出会った黒岩さんと話していると
そんなことを聞かれた。
光輝｢まぁ…一時期、陸達と……｣
黒岩｢素晴らしい…｣
あの頃は果音さんに相応しい男になるって
必死だったな、なんて……
つい最近の事なのに懐かしく感じる。
黒岩｢あ、ホストに興味はありませんか？｣
光輝｢ホスト？｣
俺がまだ高校生だって知ってるはずなのに
どうしてそんな事を聞いてくるのか…。
黒岩｢金が必要なんでしょ？｣
光輝｢どうしてそれを…？｣
誰にもそんな事教えてないのに…。
黒岩｢明日、ナイトリングにある“
クラブに来て欲しい｣
俺の質問に答えることなく言う黒岩さん。
光輝｢でもそれって…｣
黒岩｢あぁ…バスケは竜くんに任せればいい｣
光輝｢…｣
黒岩｢キミはその拳で全てを手に入れる
…膨大な金を手に出来ますよ？｣
光輝｢…どういう事？｣
黒岩さんが何を考えているのか
どうして高校生である俺には そんな話をするのか
さっぱり分からない。
黒岩｢明日、ある男達の闘いがある。
キミは生き残った方と闘ってください｣
光輝｢…｣
黒岩｢でも心配入りません、
どちらにせよボロボロの状態です｣
1発…いや、2発で決着はつく…
そう言って立ち去ろうとする黒岩さん。
俺が今、金を必要としているとこは事実だ。
正直どこまで信用していいのか分からないけど
高校生の俺が一気に大金を手にするには
その賭けに乗るしかなくて…。
光輝｢あの！…お金の事もホストの事も……
アイツらには言わないで下さい｣
これは俺の問題で…
アイツらを巻き込む訳にはいかない。
だから……
光輝｢うちの学園、ホストやナイトリングとは真逆で
絶対許されないんで｣
黒岩｢…｣
光輝｢アイツらを巻き込みたくないんです｣
黒岩｢…分かりました｣
アイツらを引き離してでも
俺1人でどうにかしよう。
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作者名：ちゃそ
| 作成日時：2021年8月13日 10時
