確信 ページ15
-竜 side-
Aを家まで送り届けると
不安からか全然離れたがらないAに付き添い、
泣き疲れていつもより早く寝てしまったAに
置き手紙を残して家を後にすると
いつも光輝が練習に使うバスケ場へ向かった。
案の定少し待っていればやって来た光輝。
竜｢勝負しようぜ、1対1で｣
俺の言葉で始まったバスケ勝負。
時間なんて忘れて白熱する試合。
光輝｢おい、今何対何だ？｣
竜｢……分かんねぇ｣
光輝｢それじゃあ勝ち負けも無いだろ｣
竜｢いいだろ、それで…｣
勝負とは言ったものの
元から勝ち負けを決める気はなかったし。
光輝｢…｣
竜｢“仲間とやるから楽しい”…お前が言ったんだぞ？｣
俺はその言葉のおかげで
アイツらと向き合うことが出来た。
竜｢練習に来れないからって遠慮すんなよ｣
光輝｢…｣
竜｢明日の大会だけは絶対来いよ｣
光輝｢…ｯｯ｣
竜｢……お前が来なきゃ意味が無いんだ｣
その言葉に返事は無かったけど
目を見ればわかる…。
光輝は絶対来る。
光輝と別れて兄貴に今日はAのとこに泊まると
連絡をしてから再びAの家に戻る。
A｢竜！｣
家に帰ればAは目を覚ましていたようで
直ぐに俺の元に駆け寄ってくる。
A｢……光輝は？｣
竜｢アイツなら大丈夫だ。……だからもう休め｣
A｢……｣
竜｢俺シャワー浴びてくっから｣
A｢…待ってる｣
そう言って俺の着替えを用意してくれたA。
どの道何を言ったって聞かないだろうと思い、
｢すぐ戻る｣と頭を撫で、急いでシャワーを浴びた。
再び部屋に戻れびウトウトしているA。
竜｢A、寝るならベッド行こう｣
A｢…髪乾かす｣
眠そうにしながらもドライヤーを持ってきて
俺の髪を乾かしてくれるA。
A｢…出来た｣
竜｢サンキュ、もうベッド行って寝よう｣
そう言えば小さな声で｢…抱っこ｣という
Aを抱き上げベッドに運ぶ。
竜｢明日、絶対光輝来るから｣
A｢…本当？｣
竜｢あぁ…｣
そう言ってやれば
Aは安心したように眠りについた。
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作者名：ちゃそ
| 作成日時：2021年8月13日 10時
