私だけに見せる顔 ページ2
･
いちご｢Aちゃんだ〜｣
京極家に着くなり、
私に気づいたいちごちゃんが走ってお出迎えをしてくれる。
A｢今日はプリン買ってきたよ〜｣
仁｢やった〜！｣
元々子供が好きなのと、
弟が妹への憧れもあって
こうして京極家に来るとどうしても甘やかしてしまう。
京極母｢まぁ、いつも悪いわね｣
A｢いえ、私が好きでしてるので｣
京極母｢良かったら晩御飯食べてって｣
A｢こちらこそいつもすみません…｣
京極母｢いいのよ〜、その方が竜も喜ぶし｣
｢ねぇ？｣と竜のお母さんが話を振ると
顔を真っ赤して逸らす竜。
A｢あ！晩御飯の準備手伝います｣
京極母｢あら、本当？｣
家へお邪魔する度にご馳走になって
任せっきりなのも申し訳なくてそう言うと
あからさまに嫌そうな竜がいた。
竜｢今日はゲームするって言ったじゃん！｣
A｢子供じゃないんだから…後でも出来るでしょ？｣
私がそう言えば完全に不貞腐れてしまった竜は
部屋に入っていく。
京極母｢ごめんなさいね｣
A｢いえ…｣
京極母｢きっと大好きなAちゃんが取られて
拗ねてるだけだから｣
そう言われるとなんだか照れくさくなって
顔に熱が集中するのが分かる。
尊人｢なんか竜が部屋でいじけてんだけど喧嘩した？｣
晩御飯の準備をしていると帰ってきた尊人さんが
一度部屋に荷物を置き、出てくるなりそう聞いてきた。
A｢え、まだ拗ねてんの？｣
京極母｢こっちはもう大丈夫だから行ってあげて｣
そう言われて素直に竜の篭ってる部屋のドアを開けると
1箇所だけ布団が膨らんでいる。
A｢…竜｣
竜｢…｣
私が名前を呼べば返事はしないものの、
ピクっと動いて反応を見せる竜。
A｢ごめんね、竜のこと放っておいて｣
素直にそう謝ればモゾモゾと布団から出て来て
私にギュッと抱き着いてくる。
A｢寂しかった？｣
竜｢…全然｣
…なんて言いながらも、
私を抱きしめる力を少し加える。
尊人さんにも充分甘えただけど、
ここまで甘えたなのは私の前だけ…。
それがなんだか嬉しくて
竜の頭をクシャッと撫でると
｢…ガキ扱いすんな｣なんて言いながらも
離れない竜がいつも以上に愛おしく思えた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1483人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ちゃそ
| 作成日時：2021年8月13日 10時
