9話 どうしてそんなに ページ10
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スマイルと話していると、スマホが着信音を鳴らす。
どうやらきんときからの電話のようだ。
「ん、もしもし、きんとき？」
『ああ、今終わったから行くけど…変な事言ってないよな？』
声だけなのに圧が感じられ、背筋が凍る。
「何も言ってないよ〜、Nakamuの話聞いてただけだって〜」
『…Nakamuの話？』
「あー、うん、そう。でもそれは来てからで良くない？」
『…分かった、急いで行くから、Nakamuに手は出すなよ』
「わかってるって」
プツン、と電話が切れたのを確認し、スマイルを見る。
それと同時に、Nakamuがトイレから帰ってきた。
「ふぅ…トイレありがとね」
「大丈夫だよ」
こういうところでしっかりお礼を言うのがNakamuらしい。
しかし、彼はすぐに不安気な瞳を僕に向ける。
澄んだとは言い切れない水色の瞳が揺れたと同時に、口は開かれた。
「ねぇ、まだきんときからの連絡はないの？」
「ううん、今から来るって連絡きたよ」
「よかったぁ…」
ま、ここで嘘つく必要もないしね。
というか…連絡きたって言った時のNakamuの表情、見た事ないくらいに安堵してた顔だった。
…やっぱり、これは…
そう思ってNakamuの瞳を覗いた瞬間、インターホンが鳴った。
「僕出てくるよ、待ってて」
ぱたぱたと廊下を軽く走り、玄関のドアを開ける。
目の前には、走ってきたのだろうが全く息が上がっていないきんときの姿があった。
「相変わらず体力おばけだねぇ…さ、可愛い彼女のNakamuが待ってるよ」
「全く…一言多いんだよお前は」
冗談混じりに小さく言葉を交わし、リビングで待つ彼の元へ。
「きんときっ！」
Nakamuはきんときの姿を見るや否や、がばっと抱きついて頭をぐりぐりとしていた。
「バカ！めっちゃ心配したんだから！」
「ごめん、連絡する暇もなくて…本当にごめんね」
「はいはい、じゃ、きんときはNakamuを連れて帰ってくださーい」
「ん、迷惑かけちゃったな。後でなんか奢るから許して」
「じゃあ焼肉ね！」
「りょ。じゃ、またな」
手をふりふりと振って2人を見送る。
全く…人の家なのに堂々といちゃつきやがって。
…でも、
「…なんで、そこまでするんだろうな…」
ぽつり、と呟いた。
それが聞こえていたのか、スマイルが聞き返す。
「そこまで、って？」
「…別に」
「え、教えてくれないのかよ」
「気が向いたら言うよ」
「はぁ〜？気になって夜しか寝れねぇわ」
「健康体じゃんw」
時計の針は、既に日付を超えていた。
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あおみどり(プロフ) - Ayameさん» コメントありがとうございます！この小説を楽しんで頂けたようで嬉しいです！次回作も是非よろしくお願いします〜！ (2022年6月15日 7時) (
レス) id: 65d1867b2a (このIDを非表示/違反報告)
Ayame(プロフ) - 執筆お疲れ様でした！完結おめでとうございます！とても好きで更新をいつも楽しみにしていました！本当に良作品をありがとうございました！ (2022年6月15日 1時) (レス) @page37 id: 178e5a4b78 (このIDを非表示/違反報告)
あおみどり(プロフ) - のんさん» いつも見てくださりありがとうございます〜！めっちゃ嬉しいです励みになります！！ (2022年5月17日 23時) (レス) @page33 id: 65d1867b2a (このIDを非表示/違反報告)
のん - あおみどりさんの小説、やっぱし好きです〜！ (2022年5月17日 5時) (レス) id: 23d1b06221 (このIDを非表示/違反報告)
のん(プロフ) - ﾜ！！やっぱり神だ…… (2022年3月3日 2時) (レス) id: 73f49162b7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あおみどり | 作成日時：2021年2月4日 22時
