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6話 新たな人物 ページ7

na side


あれから数時間。

全く帰ってくる気配が無い。


…あれ、いつもはこんなに遅く無いのに。

連絡もない。

何かあったのかな…


「!!」

ダメだダメだ、あいつは殺しの対象、そんな感情を持っちゃいけない…!

でも、何処か心配で身体はそわそわしてしまう。



やっぱり、何かあったに違いない。

俺の勘がそう告げている。


俺は猛スピードで上着を羽織り、外へ出る。

「きんとき…何処にいるの…?!」

ぜぇはぁと呼吸を荒げながら夜の住宅街を走り抜ける。

近くの公園、コンビニ、会社の周り…

居そうなところを全て回ったが何処にも居ない。


なんで、いないの…?

なんだか怖くなってきて身体が震えている。

別に、好きでもないのに、あいつのことなんか…


でも…


「うえっ、ひぐっ…どこに、いったんだよぉ…」

何で、涙が出てくるんだろう


今まで俺は泣いたことなんてそうそうなかった。

記憶にある限り、こんなに大量の涙を流したのは初めてだった。


「うぅっ、…ひぐ…きんと、き…なんで…」

ボロボロと涙が溢れていくと同時に、吐き出すような嗚咽も出ていく。

夜の道路の上で地面に泣き崩れ、静かな街に俺の声だけが響いていた。



「…おまえ、何してんの…?」

無我夢中で泣いていると、誰かの声がかかる。

知らない、男の人。

でも、俺の事をお前って言った。

ということは、何か近しい関係の人?
いや、そういう性格の人もいるのか?

「Nakamu…だよな?何で泣いてんの…きんときが何かしたのか?」

ここで確信した。

彼は、Nakamuの知り合いなんだと。

しかし、俺には分からない。
適当に誤魔化しておくか。

「べ、別に…なんでもないよ」
「何でもなくないよな、何もなく泣いてる訳ないだろ?」
「大丈夫だから」
「大丈夫じゃない」
「いいの!俺がいいからいいの!!」

しまった、つい声を荒げてしまった。

「…そうか」

彼はびっくりした様子で目を見開いて小さく言った。

気まずい空気が流れていると、彼の知り合いらしき男の人が1人来た。

「あ、スマイルとNakamuじゃn…え、何この空気」

沈黙が流れる俺らを見て彼はフリーズした。

この人もNakamuの知り合いなのか。

そしてこの人の名前はスマイルって言うのか、なるほど。


「Nakamu泣いてんじゃん、スマイルが泣かせたの?」
「な訳ないだろ。聞いても教えてくれない」
「ふーん…」

彼は群青色の瞳を濁らせて言った。


「…なんか、いつものNakamuと違くない?」

7話 家に呼ばれて…?→←5話 能力は如何程か?



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あおみどり(プロフ) - Ayameさん» コメントありがとうございます!この小説を楽しんで頂けたようで嬉しいです!次回作も是非よろしくお願いします〜! (2022年6月15日 7時) (レス) id: 65d1867b2a (このIDを非表示/違反報告)
Ayame(プロフ) - 執筆お疲れ様でした!完結おめでとうございます!とても好きで更新をいつも楽しみにしていました!本当に良作品をありがとうございました! (2022年6月15日 1時) (レス) @page37 id: 178e5a4b78 (このIDを非表示/違反報告)
あおみどり(プロフ) - のんさん» いつも見てくださりありがとうございます〜!めっちゃ嬉しいです励みになります!! (2022年5月17日 23時) (レス) @page33 id: 65d1867b2a (このIDを非表示/違反報告)
のん - あおみどりさんの小説、やっぱし好きです〜! (2022年5月17日 5時) (レス) id: 23d1b06221 (このIDを非表示/違反報告)
のん(プロフ) - ワ!!やっぱり神だ…… (2022年3月3日 2時) (レス) id: 73f49162b7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あおみどり | 作成日時:2021年2月4日 22時

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