23話 胸の内の葛藤 ページ24
kn side
Nakamuと遂に一線を越えた。
なんて表現はあまり似合わないかもしれないが、まぁ事実だ。
進展できたのは良いものの、本当のことは打ち明けていない。
いや、打ち明ける必要があるのだろうか？
もうこの暮らしにも充分慣れているし、NakamuもNakamuでこの現状を受け入れてくれてはいる。
でも、
『そんな偽りと隠し事ばっかりな関係、恋人でも友人でもなんでもない。』
スマイルの言葉が、どうにも引っかかってしまう。
打ち明けた方が、いいのかな。
でも…
「ああ〜！！もー分かんない！！」
基地の共同スペースでただ1人、半ば嘆きながらぐしゃぐしゃと頭を掻きむしる。
「きんさんまだ悩んでるの〜？言ったって別に支障ないって〜」
声のした方を見ると、Broooockが両手でお茶を持ってきていた。
そのまま隣に座り、呆れたような表情を見せる。
「…それが最善なのかよ、」
「ん〜…最善かは分からないなぁ」
「だったらまだ…」
コップのお茶を一口飲み、ため息を吐くと、Broooockは俺の言葉を遮るように話した。
「でもさ、黙っててもいいことないんじゃない？」
突然の言葉に、耳を疑った。
「どうして？」
「えぇ〜よく分かんないけど、多分、いや絶対そんな感じする」
「まとまりがないな…」
「しょうがないじゃん、僕はきんさんじゃないし」
既に無くなりかけていたお茶を彼は飲み干してけらけら笑う。
「じゃ、そろそろ僕は任務に行きますか〜」
「おう」
Broooockはすっと立ち上がり、腕時計を見た。
それを見た後、彼は俺の方を向いた。
「きんさん、これだけは言っておく！僕は、きんさんとNakamuに幸せになってほしいって思ってる。それは皆も一緒だと思う！だからさ、きんさんがそうしたいって思うことを大事にしてほしいな」
Broooockはそう言った後、「じゃ、またね〜」と駆けていった。
「俺のしたいこと、ねぇ…」
ボソッと誰にも聞こえない声量で呟く。
確かにBroooockの言うことにも納得できる。
でも心のどこかでまだ怖がってる俺もいる。
「…おい、きんとき！」
なにやら焦った様子でスマイルが走ってくる。
「な、なに…」
この間のこともあって、少し顔が引き攣ってしまう。
まぁスパイだしポーカーフェイスは得意なんだけどね。
「…Broooockが今どこにいるか分かるか？」
「は？今さっき任務に行ったよ」
「…っ、まじかよ…」
スマイルの額にはじわりと汗が浮かんでいる。
稀にないスマイルの切迫した表情に、ごくりと息を呑んだ。
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あおみどり(プロフ) - Ayameさん» コメントありがとうございます！この小説を楽しんで頂けたようで嬉しいです！次回作も是非よろしくお願いします〜！ (2022年6月15日 7時) (
レス) id: 65d1867b2a (このIDを非表示/違反報告)
Ayame(プロフ) - 執筆お疲れ様でした！完結おめでとうございます！とても好きで更新をいつも楽しみにしていました！本当に良作品をありがとうございました！ (2022年6月15日 1時) (レス) @page37 id: 178e5a4b78 (このIDを非表示/違反報告)
あおみどり(プロフ) - のんさん» いつも見てくださりありがとうございます〜！めっちゃ嬉しいです励みになります！！ (2022年5月17日 23時) (レス) @page33 id: 65d1867b2a (このIDを非表示/違反報告)
のん - あおみどりさんの小説、やっぱし好きです〜！ (2022年5月17日 5時) (レス) id: 23d1b06221 (このIDを非表示/違反報告)
のん(プロフ) - ﾜ！！やっぱり神だ…… (2022年3月3日 2時) (レス) id: 73f49162b7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あおみどり | 作成日時：2021年2月4日 22時
