引き渡し ページ6
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『訳ありの刀剣?』
「はい」
ある日のこと。
こんのすけが珍しく、まともに仕事をしている様で、私にそんなことを言って来た。
なんて思っていると、声に出ていたらしく、こんのすけが私はいつもきちんと仕事をしています、と顔を赤くしてぷんすこして言う。
式神の割に表情豊か過ぎて、最早狐というより人間よりである。
「実は、先程担当役人の方から伝言と資料を届けるように頼まれまして」
『ふぅん…浦島虎徹か』
「はい、その浦島虎徹もここと同様に、ブラック本丸で発見されたものです」
私は、こんのすけから資料を受け取って、パラリと捲った。
それには、今回政府が届けて来た刀…浦島虎徹について記載されてある。
浦島虎徹。
この本丸には、まだ顕現されてない刀。
いや、正しく言うならば、一度だけ顕現された刀。
つまり、前任によって折られた刀の内の一振りだ。
彼の兄弟については、蜂須賀虎徹ならいるが、長曾根虎徹はまだ来ていない。
蜂須賀虎徹も、私はここに来てから、最初の顔合わせに一度しか見たことないし、直接話したこともない。
資料にある彼の情報と刀剣男士からたまに話を聞くくらいだ。
だから、彼がどんな性格なのかも知らない。
しかし、私の知る彼ならば。
「顕現に反対するだろうな」
『そりゃあそうだろうね』
「私もそう申し上げたのですが…」
たまたま一緒に茶をしばいていた、鶴丸くんがそう言う。
私も彼の言葉に頷いた。
ここの刀剣は、やけに兄弟への愛情が強い。
ブラック本丸だから、わからないこともないが。
粟田口に関しては、十振り近く折られた子もいるらしい。
私の横で茶を啜る鶴丸くんでさえ、三振り目だという。
レア太刀でさえこの扱いなのだ、ここではむしろ一振り目だという刀剣の方が少ない。
そんな本丸にもう一度、兄弟刀が来るなんて。
たまったもんじゃない、私なら御免被る。
『まぁでも、政府はそれを許してくれないんでしょ?』
「はい…すみません、審神者様」
『君が謝る事じゃないでしょ。さて…どうしたものかねぇ』
私は、手の中にある浦島虎徹を見つめ、そう呟いた。
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よこみ(プロフ) - …さん» 夜分遅く大変失礼致します。コメントありがとうございます!そのように言って頂けて嬉しいです。 (2019年7月9日 1時) (
レス) id: 5f62df7634 (このIDを非表示/違反報告)
… - すき (2019年6月10日 20時) (レス) id: 1276fff981 (このIDを非表示/違反報告)
よこみ(プロフ) - 幽華睦月芙蓉伊-零号機さん» コメントありがとうございます!返信遅くなり申し訳ありません。今後とも宜しくお願いします!! (2019年2月17日 15時) (レス) id: 5f62df7634 (このIDを非表示/違反報告)
幽華睦月芙蓉伊-零号機 - んんんんんっ…めっちゃいい話です！これがというか、まとめ読みしましたぁ！続きとか待ってます！でもお体にはきをつけてください！ (2018年12月18日 19時) (レス) id: 1c7ece0b61 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：よこみ | 作成日時：2018年12月13日 17時
