閉ざされた記憶 ページ45
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『この本丸は、早くて一年後には戦場となる』
そう言われたのは、彼女がこの本丸を去って行く一ヶ月程前のこと。
その場にいた刀剣男士は、宗三左文字、岩融、陸奥守吉行、歌仙兼定の四振りだった。
当然、彼女の言葉には全員が驚きの表情を見せた。
『君達には、本当の事を話す。但しこの事は他言無用、どんな事情があれど、話してはいけない。話した瞬間、君達からこの記憶は貰うからね』
「待ってくれ、理解が追い付かない。本丸が戦場になる?それに、僕達から記憶を取る?君は何を言っているんだ?順を追って話してくれ」
歌仙兼定が、片手を上げ彼女の言葉を制した。
誰もが、彼女の話に追い付けていないし、混乱するばかりだった。
彼女は、静かに話し始めた。
『私は、政府の役人。諜報部という部署で働いている。その名の通り、諜報員として普段は働いている。色々面倒な事があって、私はここに来たんだけど、また予定が狂ってね。宗三くんは、さっきの話で分かっただろう?』
「…遡行軍が、政府を狙っているという事ですか?」
『その通り』
彼女は、先程政府で配られた紙を、全員に見えるように置いた。
彼らはそれを覗き込み、書かれている内容を理解しようと、必死に見ていた。
『そこに書いている通りだ。政府の情報が遡行軍に漏れている。それを突き止める為、諜報部では捜査が行われる事になった。そしてその際、この本丸は囮にさせて貰う』
「囮…?」
『そう。遡行軍にこの本丸を集中的に攻撃させる。それで全部の遡行軍が捕まるとは思ってないが、流石に何か手掛かりは得られるだろう』
「でも、何で君にそんな事が出来るんだ?この本丸は、政府が管理しているし、それは君の部署ではないだろう」
『…できるんだよ、私には。私だけは、それができる』
「どういう事だ?」
彼女は目を伏せ、意を決したように、口を開いた。
『この本丸は、私の母の本丸だ。だから、今はこの本丸は私の管理下にある』
「…え、母親?」
『これについては、私からは話さない。話さなくても、いつか思い出せるだろう。今も、少しずつ記憶が戻っているんじゃないか?』
そう言う彼女は、寂しそうな悲しそうな目をしていた。
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よこみ(プロフ) - …さん» 夜分遅く大変失礼致します。コメントありがとうございます!そのように言って頂けて嬉しいです。 (2019年7月9日 1時) (
レス) id: 5f62df7634 (このIDを非表示/違反報告)
… - すき (2019年6月10日 20時) (レス) id: 1276fff981 (このIDを非表示/違反報告)
よこみ(プロフ) - 幽華睦月芙蓉伊-零号機さん» コメントありがとうございます!返信遅くなり申し訳ありません。今後とも宜しくお願いします!! (2019年2月17日 15時) (レス) id: 5f62df7634 (このIDを非表示/違反報告)
幽華睦月芙蓉伊-零号機 - んんんんんっ…めっちゃいい話です！これがというか、まとめ読みしましたぁ！続きとか待ってます！でもお体にはきをつけてください！ (2018年12月18日 19時) (レス) id: 1c7ece0b61 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：よこみ | 作成日時：2018年12月13日 17時
