彼等の幸福 ページ41
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「素晴らしいわ、貴方達。まさかこんな優秀な子になるなんて!!」
そう言って大変嬉しそうに、彼らの成績を見る政府の役人。
褒められた当の本人達は、嬉しくも何とも無さそうな顔をして座っていた。
ヒソヒソと、別の年代の子供達が話し始める。
「あの年代、奇跡の天才時代って言われてるらしいよ」
「え、何それ?」
「大体、毎年大して高いレベルの子達は居ないんだって。でもあそこは別。得意分野はそれぞれ違うし、しかも基礎能力はみんな高い。だから、″奇跡″的に揃った四人の″天才″っていうこと」
「うへぇ、つまりバケモノばっかりかよ」
「また言ってら」
「仕方ないでしょう。羨む事しか能が無いのですよ」
「あんた、友達居ないでしょ」
『君達みんな友達居なさそうだけどね』
「お前に言われたかねぇよ、この地雷女」
そしてこいつら仲が良い。
最初は結構ギスギスした所もあったのだが、いつの間にかこんな感じに言い合うくらいには仲が良い。
喧嘩に見えないこともないが、この四人は基本的に面倒事を嫌うタイプだ。
間違っても暴力はしないし、そもそもこの五年間、喧嘩をした所なんか見たことがない。
「でも、俺らもそろそろだな」
「政府に入るの?」
『今年で16か、最低であと二年だな』
「早いわね」
彼らが引き取られ、五年も月日が経ったのだが、それでもあと二年ここで過ごさなければならない。
もう仕事に就く頃になったと思えば早い、しかしまだ、あと二年ここで日々を過ごさなければならないと考えると、長く感じる。
早く出て行きたい、こんな場所。
役人達は自分達の思い通りの人間を作ろうと必死、子供達は噂ばかりしてる。
居心地はお世辞にも良いとは言えない。
「まぁ、運が悪かった、と言っておくしかありませんよ」
「何よそれ、納得行かないわ」
「言っておく、と言ったでしょう。俺だって納得してません。しかし、ここを出れば、俺達は自由です」
「役人の監視に縛られる事も、言う通りにし続ける必要もない。ある程度の規則はあれど、そこそこ自由に出来るだろ」
それを、自由と言っていいものか。
しかし彼等のこれまでの生活からすれば、確かにそれは自由であり、束縛から解放されるのだ。
普通の人間が見れば、それをどう思うだろう。
可哀想?不憫?
しかし、彼等は予想通り、職場では上司に恵まれ、少しずつ″普通″を取り戻している。
それはきっと彼等からすれば、幸せな事なのだ。
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よこみ(プロフ) - …さん» 夜分遅く大変失礼致します。コメントありがとうございます!そのように言って頂けて嬉しいです。 (2019年7月9日 1時) (
レス) id: 5f62df7634 (このIDを非表示/違反報告)
… - すき (2019年6月10日 20時) (レス) id: 1276fff981 (このIDを非表示/違反報告)
よこみ(プロフ) - 幽華睦月芙蓉伊-零号機さん» コメントありがとうございます!返信遅くなり申し訳ありません。今後とも宜しくお願いします!! (2019年2月17日 15時) (レス) id: 5f62df7634 (このIDを非表示/違反報告)
幽華睦月芙蓉伊-零号機 - んんんんんっ…めっちゃいい話です！これがというか、まとめ読みしましたぁ！続きとか待ってます！でもお体にはきをつけてください！ (2018年12月18日 19時) (レス) id: 1c7ece0b61 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：よこみ | 作成日時：2018年12月13日 17時
