仮面 ページ31
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やぁ!僕は藤村弥生!!
政府諜報部に所属している、22歳の独身さ!!
…すみません、ふざけました。
悠月と飯を食ってると、絶賛悠月に片思い中の
やばい、そう思ったが最後。
まさか自分が好かれているとも思っていない、このバカ女が葛城を食事に誘った。
葛城の気持ちを考えると不憫でしかない。
好意にも気付かれず、挙句の果てには同僚の男と飯食ってるとこに入らないか、と言われるのだ。
ごめんな、俺が悪かった。
弁明すると、何とか納得してくれたようで、一緒に飯を食うことになった。
マジごめん。
俺邪魔だよね?帰っていい?帰りたいから。
『そう言えば、また新しい子が来るらしいよ』
「…そうか」
「……」
悠月の一言で、俺らの中に沈黙が流れた。
また、増えるのか。
と、言うことはつまり、またあの場所に子供が増えるという事だ。
政府はいつまで、こんなくだらない事をするつもりなのか。
「俺達のこと、鬱陶しく思っているくせに。人は増やしますよね」
『まぁ、私達は便利屋みたいなもんでしょ。向こうからすれば』
「たまったもんじゃねぇよなぁ」
俺らは、歳が違う。
悠月は20歳、俺は22、葛城は21だ。
一個差しかないが、歳の違う俺らは同期だ。
年齢も性別も生まれも関係なく、俺達諜報部は、政府に集められ、こき使われている。
俺らには拒否権はない。
この体質で生まれ、この頭と身体を持ってしまったが故に。
俺らは自由を奪われるのだ。
『ふふ…もう笑えるよね』
「お前一番笑えないだろ。うちでも特に」
『でも…私は生まれた時から、この環境だったからなぁ』
そう言って笑うこいつは、俺達よりも面倒で、苦しい境遇で生きていると思う。
両親も本人も、こいつがこんな生き方をするのは、望んでいないだろう。
そしてこいつは、それを消すように、いつも薄い笑顔を貼り付けているのだ。
「…たまには、怒ってもいいんじゃないですか」
『怒る気力も最近失せてきたんだよね。年かな?』
「多分関係ないな、それは」
この笑顔が取れるのは、いつになるのだろうか。
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よこみ(プロフ) - …さん» 夜分遅く大変失礼致します。コメントありがとうございます!そのように言って頂けて嬉しいです。 (2019年7月9日 1時) (
レス) id: 5f62df7634 (このIDを非表示/違反報告)
… - すき (2019年6月10日 20時) (レス) id: 1276fff981 (このIDを非表示/違反報告)
よこみ(プロフ) - 幽華睦月芙蓉伊-零号機さん» コメントありがとうございます!返信遅くなり申し訳ありません。今後とも宜しくお願いします!! (2019年2月17日 15時) (レス) id: 5f62df7634 (このIDを非表示/違反報告)
幽華睦月芙蓉伊-零号機 - んんんんんっ…めっちゃいい話です！これがというか、まとめ読みしましたぁ！続きとか待ってます！でもお体にはきをつけてください！ (2018年12月18日 19時) (レス) id: 1c7ece0b61 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：よこみ | 作成日時：2018年12月13日 17時
