渡さない ページ16
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「出陣をしていないとは、どういう事だ」
私がその部屋に入って言われた一言目は、それだった。
私のことを忌々しげに見ている彼は、かなり腹が立っているようで。
私の前にある机を一蹴した。
私は彼の方を向かず、さっきの言葉の返事をする。
『どういう事、とはどういう事でしょうか?』
「惚けるな。お前の仕事は、ただあの本丸に留まるだけではない。刀剣男士達を従え、遡行軍を殲滅することだ」
『はて、そのような事、私の仕事にありましたか?』
そう言うと、彼は私の胸ぐらを掴んだ。
女の子に何すんだよ、このおっさん。
そんなんだから頭禿げてんだよ。
「お前、自分がどういう状況か分かっているのか?」
『分かってますよ。だから、こうやって大人しく貴方達に従っています。彼らを守る為ならば、私は何でもしましょう』
例えどんなに苦しくても、どんなに辛くても。
私はあの人達の為なら、何でも耐えられる。
大切な人達の為ならば、何だってする。
でも。
『あの子達は、今は私の刀剣男士です。どのようにするかは私が決めます。それについては、政府は何も進言していないはず。この件について、貴方方が口を出す権利はありません』
私がそう言うと、彼は右手を振り上げ、私を殴った。
あーあ。
乙女の顔になんて事するの。
打たれた所が熱を帯び、ヒリヒリしてくる。
久しぶりに痛みを感じた。
誰かの為に負う傷とは、こんなにも痛いのか。
「お前のその行動が、後に仇となるぞ」
『ふふ、構いません。私は必ず、貴方達なんかに彼らを奪わせはしません』
私が死んでも。
私があの人達を、あの子達を守る。
彼らを守って死ねるなら、それは本望だ。
もう二度と。
『お前ら政府から、私の大切な人達を護ってやる』
貴様らのような屑に、何一つくれてやるものか。
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よこみ(プロフ) - …さん» 夜分遅く大変失礼致します。コメントありがとうございます!そのように言って頂けて嬉しいです。 (2019年7月9日 1時) (
レス) id: 5f62df7634 (このIDを非表示/違反報告)
… - すき (2019年6月10日 20時) (レス) id: 1276fff981 (このIDを非表示/違反報告)
よこみ(プロフ) - 幽華睦月芙蓉伊-零号機さん» コメントありがとうございます!返信遅くなり申し訳ありません。今後とも宜しくお願いします!! (2019年2月17日 15時) (レス) id: 5f62df7634 (このIDを非表示/違反報告)
幽華睦月芙蓉伊-零号機 - んんんんんっ…めっちゃいい話です！これがというか、まとめ読みしましたぁ！続きとか待ってます！でもお体にはきをつけてください！ (2018年12月18日 19時) (レス) id: 1c7ece0b61 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：よこみ | 作成日時：2018年12月13日 17時
