相棒 ページ8
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部屋に戻り、現世で購入したものを片付けると、ご飯を作るために厨房へ向かおうとした。
『おや、可愛い君』
「………」
襖を開けると、可愛い彼が座っていた。
声をかけるも、反応がない。
私の方を向くこともせず、ぼんやりと外の風景を眺めている。
私は、彼の視線の先を追ってみた。
私が来たばかりの頃、荒れに荒れ尽くしていたこの本丸。
今では、掃除もして、見違えるほど綺麗になった。
庭にも花や草が生えてきた。
こんのすけくんに聞いたところによると、私が来たことにより、霊力の循環ができているからこの本丸の空間も、活気が出てきたんだとか。
霊力って凄いのね。
「主さ……気づいてたでしょ?」
『何のこと?』
「主と安定が話していた時、俺がいたこと」
『………さぁ?』
彼女は、そう言って笑った。
気付いていたから、彼女はきっと大和守安定にあんな事を言ったんだ。
主は、そういうのには鋭い人だから。
『仮にそうじゃなかったとしても、私は同じこと言っただろうけどなぁ。聞いてたなら、こんな所で油売ってないで、彼と話したらどうだい?』
「………わかってるよ。話さなくちゃいけないことなんて」
誰よりも、一番わかっている。
だけど。
『何?大切な人だから、自分の言うことで傷つけてしまうのが怖いのかい?』
「……はは、流石だな。うん、そう。俺は弱いから」
彼女は、俺の横に腰を下ろして、俺と同じ様に風景を眺め始めた。
ほんの少しの間の後、彼女は口を開いた。
『大切な人だからこそ、話すべきなんじゃないか。傷つけるとか、そんなの生きていたら幾らだってあるんだ。お互い傷付けあって、それでも理解しようとして、分かりあって支えあって、一緒に歩くのが…相棒なんじゃないか』
俺は、それを聞いてぽかんとした顔をした。
主から、そんな言葉が出るなんて、思いもしなかったから。
いつもみたいに、関係ないって言うのかと思ったから。
でもそれだけじゃなくて、そう言った彼女の顔は、とても穏やかな顔をしていた。
初めて、そんな顔を見た。
俺は、なんて綺麗なんだろうと思った。
『さて、夕食の準備するかぁ。君も手伝ってくれないかい?』
「……うん、いいよ」
主は、ぱっといつもの顔を戻った。
俺は主の後をついて行った。
主、ありがとう。
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よこみ(プロフ) - 仙寿さん» お気遣いありがとうございます!これからもこの作品を宜しくお願いします!! (2018年8月25日 15時) (
レス) id: 5f62df7634 (このIDを非表示/違反報告)
仙寿(プロフ) - 初めましてです！いつも楽しく読ませて頂いております！体調ご慈愛しつつ、よこみ様のペースで更新して頂ければ幸いです！ (2018年8月25日 0時) (レス) id: 6a904cca90 (このIDを非表示/違反報告)
よこみ(プロフ) - 和奏さん» ありがとうございます!気遣って頂いて嬉しいです。これからもどうぞ、よろしくお願いします!! (2018年7月1日 20時) (レス) id: 5f62df7634 (このIDを非表示/違反報告)
よこみ(プロフ) - *みき*さん» ありがとうございます!更新不定期ですが、よろしくお願いします!! (2018年7月1日 20時) (レス) id: 5f62df7634 (このIDを非表示/違反報告)
よこみ(プロフ) - よっしーさん» 面白いなんて…ありがとうございます!とても励みになります!! (2018年7月1日 20時) (レス) id: 5f62df7634 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：よこみ | 作成日時：2018年4月6日 8時
