温かい ページ42
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風呂を上がり、髪の毛を拭きながら本邸を歩いていると、広間に灯りがついていることに気が付いた。
中から短刀がはしゃいでいる声が聞こえる。
私は襖を開けて、彼らに声を掛けた。
『ほら皆、そろそろ寝なよ』
「「「はーい!!」」」
「あ、主様…今日は皆で寝ませんか?」
『ん?短刀達と?』
「お、良いなそれ。愛染達も呼ぼうぜ」
そう言って、後藤くんを筆頭にバタバタと、数名走って来派の部屋に向かった。
私はそんな彼らに、あんまり騒ぎすぎないように、一応注意しておく。
流石に私もね、夜は疲れるんだよ。
お昼しかあんな騒ぐ元気ないんだ、婆さんだから。
残った子達が布団を持って来ると言って、部屋に向かったので、私も自室から布団を持って来ようと一度広間を出た。
『おや、そんな所で何してるんだい?明石くん』
「おぉ、名前覚えんたん?」
『粟田口の子に教えて貰ったのさ』
「それはそれは」
私はじっ、と彼を見つめた。
ここに来た時は、随分冷たい目をして、私に刀を向けて来た相手が、今日は一段と柔らかい雰囲気である。
一体、どういう心境の変化か。
いやあるいは、何か目論んでいるのか?
「何で突然、って言いたそうな顔ですな」
『そりゃあなぁ』
「…さあなぁ、自分にもよう分からんのですわ」
『そうか』
ただ、彼女の霊力が温かく優しいから。
彼女の目は、どこか遠くを見ていて、きっと彼女の心はここには無いのだろうと思ったから。
言ってしまえば、ただの興味だ。
それで彼女を見続け、そう感じたから。
他の審神者とは、確実に何かが違う。
抱えているものも、感じていることも。
少し、少しだけ信じてみようかと思ったから。
不意に、審神者が口を開いた。
『あぁ、そう言えば、今夜は短刀達と一緒に寝ることになってな。愛染くんと蛍丸くんも呼ぶみたいだ』
「そりゃええ事や。あいつらも、久しぶりに他人と触れたさかい、嬉しいと思うで」
『君も嬉しかったか?』
俺はその言葉に驚いて、審神者の方を向いた。
彼女はいつも通り微笑んで、優しい目で俺を見ていた。
俺はふっ、と笑った。
そんな目をする人とはなぁ。
「さぁ、どないでっしゃろ?ほな、自分は寝ますんで。おやすみ」
『あぁ、おやすみ』
嬉しいに決まっている。
こんなに温かいのだから。
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よこみ(プロフ) - 仙寿さん» お気遣いありがとうございます!これからもこの作品を宜しくお願いします!! (2018年8月25日 15時) (
レス) id: 5f62df7634 (このIDを非表示/違反報告)
仙寿(プロフ) - 初めましてです！いつも楽しく読ませて頂いております！体調ご慈愛しつつ、よこみ様のペースで更新して頂ければ幸いです！ (2018年8月25日 0時) (レス) id: 6a904cca90 (このIDを非表示/違反報告)
よこみ(プロフ) - 和奏さん» ありがとうございます!気遣って頂いて嬉しいです。これからもどうぞ、よろしくお願いします!! (2018年7月1日 20時) (レス) id: 5f62df7634 (このIDを非表示/違反報告)
よこみ(プロフ) - *みき*さん» ありがとうございます!更新不定期ですが、よろしくお願いします!! (2018年7月1日 20時) (レス) id: 5f62df7634 (このIDを非表示/違反報告)
よこみ(プロフ) - よっしーさん» 面白いなんて…ありがとうございます!とても励みになります!! (2018年7月1日 20時) (レス) id: 5f62df7634 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：よこみ | 作成日時：2018年4月6日 8時
