不可能 ページ33
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俺は、信じられない。
信じられるほど、俺は、そんなに強くない。
「主…何、してるんだ?」
「何って…そんなの決まってるじゃない」
「かね…さ、」
苦しむ俺の相棒を踏みつけながら、前任は俺に笑ってみせた。
それが気持ち悪くて、今にもどうにかなってしまいそうだった。
前任はさらに強く、国広を踏みながら、俺に言った。
「こいつ、私に気づかずに歩いてきて、ぶつかって来たのよ。ちょぉーど気分の悪い時に…ね!」
「ぐっ…かはっ、…」
「国広!!」
前任は国広の髪を掴み、鳩尾に向かって膝を入れた。
国広は、腹を抑え、咳き込んだ。
口からは血が出ていた。
「ふふ、ただの道具のクセに」
「待て、主」
再び国広に近寄り、暴力を振るおうとする前任を、俺は声をかけて止めた。
俺は、拳を握りしめ、顔を上げた。
「俺が、あんたの相手になってやる。俺はお気に入りなんだろ?望むことなら何でもしてやるぜ。ただし、国広を手入れして、もう二度と手を出さないでくれ」
それから国広が傷つくことはなくなった。
俺は、自分が選んで決めたことで苦しんだことは、後悔してない。
あいつを護れたなら、俺はそれで良い。
俺がどんなに苦しく、辛くても。
それでも、あいつが傷つかずに済むのなら。
それなら、俺はどんなことでも受け入れる。
だからもう、見たくないんだ。
加州が、大和守が、国広が。
傷ついて、悲しんで、辛そうにしているのを。
俺はもう、見たくないんだ。
だから俺は、信じられない。
信じたくないんだ。
信じて傷つくくらいなら、最初から信じなければ良い。
だから例え、どれだけ仲間がこの女を、信じていても。
俺だけは、俺だけは否定してやる。
もう二度と、あんな光景を見なくて済むように。
俺はお前を、真正面から、否定してやる。
二度と、俺達が苦しまなくて済むように。
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よこみ(プロフ) - 仙寿さん» お気遣いありがとうございます!これからもこの作品を宜しくお願いします!! (2018年8月25日 15時) (
レス) id: 5f62df7634 (このIDを非表示/違反報告)
仙寿(プロフ) - 初めましてです！いつも楽しく読ませて頂いております！体調ご慈愛しつつ、よこみ様のペースで更新して頂ければ幸いです！ (2018年8月25日 0時) (レス) id: 6a904cca90 (このIDを非表示/違反報告)
よこみ(プロフ) - 和奏さん» ありがとうございます!気遣って頂いて嬉しいです。これからもどうぞ、よろしくお願いします!! (2018年7月1日 20時) (レス) id: 5f62df7634 (このIDを非表示/違反報告)
よこみ(プロフ) - *みき*さん» ありがとうございます!更新不定期ですが、よろしくお願いします!! (2018年7月1日 20時) (レス) id: 5f62df7634 (このIDを非表示/違反報告)
よこみ(プロフ) - よっしーさん» 面白いなんて…ありがとうございます!とても励みになります!! (2018年7月1日 20時) (レス) id: 5f62df7634 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：よこみ | 作成日時：2018年4月6日 8時
