何で ページ23
.
私は廊下を、青髪の……小夜くん?と一緒に歩いた。
彼らにホットミルクを作ろうと思ったのだけど、彼らは私を信用していない。
毒を盛られたりするかもしれない。
だからどちらかでいいから、一緒についてきて欲しかったのだ。
私の監視と手伝いを頼みたかった。
『小夜くん…は、何が好きだい?』
「え?」
『何でもいい、果物でも野菜でもお菓子でも。今度、政府に食材を送ってもらおうと思っていてね。会った子達に、聞いて回ろうと思って』
「じゃあ…柿」
『柿?果物の?』
「うん」
『じゃあ皆で作ろうかねぇ。小夜くんはそれでもいい?すぐには食べれないけど……』
「うん……いい」
『良かった。さて、小夜くん。今から扉を開けるけど頭を下げていてね』
「?…分かった」
私は厨の襖をスパーンと音をさせて開けた。
瞬間、私の頭目掛けて三振り刀が飛んできた。
集中攻撃なんて効率悪いなぁ。
なんて思いながら、それを全部避けると、小夜くんの頭をぽんぽんと撫でた。
彼は何が起きたかわからないという顔をしていたが、状況を理解してすぐに立ち上がった。
前を見ると、三人の付喪神様が立っていた。
『厨借りていい?』
「断る」
『そう言わないでくれよ。この子達にホットミルクを作りたいんだ。あ、君たちも飲むかい?』
「いらない」
『じゃあせめて、彼らの分だけ作らせてくれ』
「嫌です」
……マジかどうしよ。
ここまでとは…だって今まで勝手に入れたんだもの。
でも今は彼らが、通らせまいとして目の前に立っている。
「お前らはそうやって、俺達を嵌めてどんなに信じても最後に裏切られる。今更、信じられるか」
『そうだね、激しく共感だよ』
「わかっているなら…」
『それとこれは別。言ったじゃん、殺したくなったら殺せって。もしかして意味を間違えてないかい?私は「本当に私自身が気に食わなければ殺せ」と言ったんだ。君達は私を見てすらいないくせに、殺そうとしたのか?じゃあ私にあの刀は届かない。そんな刀に負けるものか。君達のような、いつまでも逃げている臆病者に、負けるわけがない。絶対に』
「…なんだとてめぇ!!」
「兼さん!!」
私は、髪の長い彼に胸ぐらを掴まれた。
小夜くんはどうするべきか迷っているようだった。
いや、彼は正しい。
ここで私を助けると、彼は私を信じたことになってしまう。
私は胸ぐらを掴む彼をじっと見つめた。
『……何で、皆そんな顔するのさ』
そんな、泣きそうな顔。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 974人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「刀剣乱舞」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
メンタル弱い系人間(プロフ) - よこみさん» よこみさんからよろしく何て！！ありがとうございます！！天に召されそうです！ (2018年3月11日 9時) (
レス) id: ba1024f461 (このIDを非表示/違反報告)
よこみ(プロフ) - メンタル弱い系人間さん» コメントありがとうございます。一目惚れ、嬉しいです。笑今後ともよろしくお願いします!! (2018年3月11日 9時) (レス) id: 5f62df7634 (このIDを非表示/違反報告)
メンタル弱い系人間(プロフ) - よこみさん！面白いです！私もこのようにかけると良いのですが、…苦笑、というか！一目惚れしました！よこみさん！！ (2018年3月9日 23時) (レス) id: ba1024f461 (このIDを非表示/違反報告)
メンタル弱い系人間(プロフ) - え、ちょ、マジか、何だよただの神様の作り出した産物だったわ (2018年3月9日 23時) (レス) id: ba1024f461 (このIDを非表示/違反報告)
よこみ(プロフ) - ステラさん» コメントありがとうございます!そう言って頂けて嬉しいです。 (2018年2月19日 22時) (レス) id: 5f62df7634 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：よこみ | 作成日時：2017年4月2日 2時
