愛の言葉 10 ページ10
カサ……と、紙を捲る音だけが部屋に響く。
手紙を読み終わったあと、男は静かに涙を流した。
声も立てずに、ただひたすら。
外からパタパタという足音が聞こえた。
男は涙を拭うと、手紙をと一枚の紙を綺麗にたたんでポケットに入れた。
部屋を出ると、いつも通りの本部が目に入る。
ただ、一人の女性が居ないだけ……
「……そろそろ行くか」
男はそう自分に言い聞かせ、颯爽と歩いていった。
ただ、前を見つめて。
男が手紙と共に畳んだ紙には、
────────黒川 A
大規模侵攻の際、
親子を庇い
────死亡。────────────
そう、書かれていた。
彼女は、とても強かった。
自分と同じS級として、今まで一緒に戦ってきた。
彼女が死んだと聞いた時、とても信じられなかった。
彼女が死ぬなんて、何があったのか、と。
死因が親子を守った事だと聞いた。
彼女らしいと思った。
彼女こそ、相手が危険だったら自分の事はどうでもいいと思っているのに。
俺にそんな事、言えないだろう？
男は後ろを向くことは許されない。
彼女の為にも、自分の為にも
……この町の為にも。
終わり←愛の言葉 9
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Sei - 千代さん» そう言って頂けて嬉しいです。ありがとうございます！ (2017年12月30日 19時) (
レス) id: 6b7b71df98 (このIDを非表示/違反報告)
千代(プロフ) - とてもいい作品でした。個人的に泣きそうになるくらい！素敵な作品をありがとうございます！！ (2017年12月25日 9時) (レス) id: b52e932e7e (このIDを非表示/違反報告)
天音みー(プロフ) - はい！ (2017年11月16日 20時) (レス) id: decce12a0e (このIDを非表示/違反報告)
Sei - 遅くなってすみません。ありがとうございます！ (2017年11月16日 20時) (レス) id: 4c144c4b94 (このIDを非表示/違反報告)
天音みー(プロフ) - 凄く感動する話でとても良い作品だと思いました、良かったです！ (2017年10月4日 20時) (レス) id: decce12a0e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Sei | 作成日時：2017年9月28日 0時
