初めて知った、家族というもの。参

船出 ページ27

数日、その島に停泊し、今日はいよいよ船出の日。

停泊していた数日間も、新しい訓練は続いた。


白｢野郎ども〜！出航だぁ〜！！！｣

船員達｢おぉ〜！！！！！｣


再び、海に出た。

Aの部屋には、斑に摘ませたカゴいっぱいの藤の花。

今日も今日とて決めている量を、朝･昼･晩と食べる。


藤の花を食べていることは、新しくサッチも知っていた。

これで、知っているのは8人。

ナース達と、マルコと、イゾウと、白ひげと、サッチだ。


サッチはAに対し、

サ｢Aちゃん、藤の花の話、聞いたよ。ずっとそのまま食べてたら飽きるだろう。調理させてくれないか？｣

と言ってくれ、

Aは、

『！．．．ありがとう、お願い！あ、でも、火を通さないでね。』

と答えた。


それから、Aは、そのまま藤の花を食べることが減った。

サッチが藤の花を、寒天にしてくれたり、団子に付ける餡にしてくれたりと、美味しく食べられるよう工夫をしてくれたからだ。


Aは驚いていた。

毒のある藤の花を食べることに対し、否定するどころか、気を遣い、力添えをしてくれている。

改めて、Aは、


家族はいいものだ


と


暖かい


と思った。

大きな日輪刀→←藤の花 伍

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