死霊捜査官【d!】 (ページ37)

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Gaudete!! ページ37

「えーっと、じゃあ僕からも」
「……マフラーか、いいね。ありがとう。」

彼からのプレゼントは厚手のマフラーだった。ふわふわとしていてとても気持ちが良い。私が手触りを確かめていると、彼はそれを手に取って、私の首にグルグルと巻き付ける。優しい手つきで、そして見た目もよく。

「お似合いですよ。」
「そう、ありがとう。温かいね、これ。」
「最近は厚手のマフラーが流行りだそうで。冷え込んでますからね〜」

まじまじと見つめながら、自身の贈り物が合っているのをしっかりと確認しているよう。そして、ついでだろうか、私の頭を撫でてニコニコとご満悦であった。やめろと言って手を払い除けてもその笑みが崩れることはなかった。彼の笑顔は基本胡散臭いが、どうやら本当に嬉しそうに見えるを気のせいか？

リンゴーン、静寂を破るように友人の訪れを告げ知らせる。はーいと言って玄関に向かうと、どうやら来訪者はよく見なれたネイビーブルーであった。

「やっほ〜Aちゃん。」
「やぁ、今日は繁忙期じゃないのか？」
「せやねん、もう忙しい忙しい。自分とこの教会の礼拝やって、教区の礼拝やって、これから秘跡庁全体の礼拝や。しかもド深夜やで？？気狂っとるわ〜」
「毎年大変ね。」

神父というのはこの国の要だ。そして、今日は彼らにとっての大祝祭である。心做しかウツの顔がコケているように見えるが気のせいだろう。

「あぁ、せやった。これ俺からのプレゼント♡」
「ありがとう。食事はまだか？」
「食べる暇全然なくてな。」
「軽食くらいならすぐに準備ができる。食べていくか？」
「ええんか？ありがとう〜」

残ったチキンとサラダを元にサンドイッチを作る。彼を交えてくだらない話をしていると、窓の外でちらつくものが見える。雪だ。雪が降り始めた。

「今日は冷えるな。」
「師匠〜僕今日リビングで寝てもいいですか？」
「いいよ、私もそうするし。」
「え、ずるない？」
「兄さんは仕事行ってもろて。」
「あん酷い！！」

汚いウツが飛び交う。本当に騒がしい事だ。しばらくすると時間だと言って面倒くさそうにウツは出ていった。外はかなり雪が積もっている。暖炉の前で、ごろんと横になり、毛布の中へと潜る。すると、横から寒いですと言ってチーノがくっついてくる。特に拒むことなく、しばらくするとすぅすぅという寝息が聞こえてくる。私も瞼を閉じると、すぐに夢の中へと意識が旅立つ。いつもの闇、いつもの黒。でも、普段よりは幾分いい。