死霊捜査官【d!】 (ページ26)

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．煮え滾るページ26

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「クソがっ！！！！！」

腸が煮えくり返る思いだ。なんで寝起きであいつと出会った挙句に侮辱されなければならないのだと、苛立ちを隠せない。拘束の解けた身体はどうにもこうにもじたばたせずには落ち着かない。

「Aちゃーん、大丈ぶっ！？？」
「わぁすっごい飛んだ。」

私を心配して駆け寄ろうとしたウツを思わず殴り飛ばす。あまりに強い力のせいか彼は宙に軽く飛んだ。遠巻きにその様子を見ていたチーノが2発目を叩き込もうとしていた私の腕を掴んだ。

「師匠、八つ当たりはダメですよ。」
「離せチーノ。とりあえずボコボコにしないと気が済まない。」
「なんで？」

俺なんもやってないよね！！というウツの叫び声が辺りに響き渡る。耳が痛い。まぁ、どうにも、感情が生まれたばかりでコントロールが出来ないようだ。チーノの馬鹿力で無理やり抑え込まれ、何とか私はその場に留まった。不本意であるが。

「……しかし、まんまとやられたな。」
「まんまと？」
「イテテ……あぁ、Aちゃんも気づいとったんか。」
「そうだよ。覚醒して、あいつの姿を見てすぐに分かった。どうせ、あの院長先生の思想に取り入って体良く私を呼び出す為に協力していたんだろう。ご丁寧にわかりやすい痕跡を残してな。」
「グルちゃんやったらあいつの痕跡には気づいたことやろうけど、それでいてわざと呼んだんやろうね。」

　それならば最悪だ。私はグルッペンの掌の上で踊らされていたようなものだからだ。尚更、腸が煮えくり返る思いだ。しかし、グルッペンに関しては私に気づかせる為に向かわせたのだろう。彼が、再び動き出したということについて、だ。

「へぇ〜そんな事が。ほとんどは師匠の推測通りでしたが、まさかこんな形で出くわすとは思いませんでしたね。」
「まぁ、Aちゃんが取られた時は焦ったけどな。あれはチーノナイスプレーやったわ。」
「へへ、それほどでも〜」

どうやら、私の記憶の定まらない内に何かしらの危機があったようだ。今回は1から出直しだったから回復に時間がかかったように思う。チーノがいる限りは、その作業も大分ショートカットが出来る為問題は無いが。