スマホから推しがでてきた 続 【北信介】

30日目 待ち合わせ ページ37

電車で揺られ約30分。

待ち合わせの駅に着いた

ピ、と小気味よい音を立て改札に出ると大きな噴水が目の前にある。

北さんらしき人を探すけれども、それらしい人は見当たらない。

スマホで時間を確認すると、まだ待ち合わせまで時間はたっぷりとある。ありすぎる。

取り敢えず待とう。

(やっぱ大きな駅だし、人多いなあ…)

大人、老人、学生らしき人。

沢山の人がいるなあなんてぼんやりする。

ぼんやりする以外特にやる事ないし

噴水近くに集まってる鳩の数を数えたりしようかな


え、てかこういう時ってあれでしょ？

ナンパされてそれで北さん来てくれるみたいな…

そうゆう雰囲気というか、そんな流れだよね？

いやまて、もしかして私がナンパされる程可愛くはないということか…？そういう事か？

否、それは無い。可愛いって設定だし。



うん、大人しく北さん待とう……

「お兄さんめっちゃイケメンですね！」

「うち好きなったかも！これから予定とかあるんですか？」

キャイキャイと可愛らしい声が聞こえてきた。

ああ、逆ナンか…

でも私の視界(目の前)にはその声を発する人達は見当たらないので遠くで起きているんだろう。

声が高くて大きいから周りに聞こえやすいのか。

「彼女とかおるんですか？」

凄い、最近の肉食系女子って積極的だな…

「悪いんですけど、人待たせてもうてるので」


…ん？

この声、凄い聞き覚えがありすぎるような

急いで辺りを見回す。


あ、あの人達か…？

いや、絶対そうだ。あの綺麗な髪色




北さん、逆ナンされてる…

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