スマホから推しがでてきた 続 【北信介】

体育祭 11 ページ12

最後の種目、借り人競走。

いくら気分直ったとはいえ北さんを見ると少しモヤンとする。

流石にこの感情をなんと呼ぶのか。

分からないほど鈍感ではないけど、

いまは、分かりたくない。



北さんは最後のレースらしい。

先輩たちは必死に呼びかけている

「角名君おる！？」

そう言って白組に向かってきたのは可愛い先輩。

角名は面識が無いようで不思議そうに首を傾げた

『お題に沿った人が角名ってことでしょ、隅に置けないなあ』

そんな事いいながらレースを見る。

どうやら先輩のお題は「高身長イケメン」らしい。

たしかに角名は背高いし。

まあイケメンはイケメンだしな

でも人気の宮双子が呼び出されないのは意外、と少し思ったけど。

治君は足を挫いてるんだった。宮君はなんだろ、

借り人競走時の呼び出し禁止とか？

もはやファンクラブの域までいってるか、それは。

流石にそんなには行かないか、ただ単に恐れ多いだけとかそんな理由なのかな。

そんなことを思ってると角名が帰ってきた。

『お疲れ、高身長イケメンの角名君？』

「そりゃどーも」

ありゃ、つれないなあ。

「俺じゃなくて北さん見たら？」

『残念北さんはまだです』

角名はスマホを取り出しいじり始めた。

思うんだけど角名っ結構スマホ弄るよね、現代っ子め

まあかくいう私も現代っ子だし乙女ゲーやってるからスマホは手放さないんだけど。

私は借り人競走のレースを眺めてた

少女漫画だと、

イケメンがお題「好きな人」でヒロイン連れてったりするんだけどな。

そんな展開期待してないし。

それに北さんにはお似合いの方がもう既にいるみたいですし。

どうせ私は乙女ゲー無しじゃ生きれませんよーだ。

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