【SERVAMP】吸血鬼の憩いの場 ５【女主】

206話 × × だけは ４ ページ21

『ー…ｯ！！？』



おとうさんを撃ったであろう人物を探すも見当たらない。



その時…微かに二人の声が聞こえ 慌てて駆け寄る。




"……A…けして…『チカラ』を…使ってはダメ…よ…？あなたは……普通に幸せな時間を…過ごして…"





『…おかあさん…』




お父さんの方へ視線をむければ…お父さんは誰に言うでもなくボソボソと呟いていた…。



"…C3を…許すな……C3を許すな…C3は……悪だ…彼奴等を…ころせ…"




その言葉の意味はよく分からなかった…だけど…その時のお父さんの顔は 今までに一度も見たことがない程怖い表情をしていて…、




『…おとう…さ…ん…』



思わず 声が出なくなってしまう…。




その時… ふわりと周りの景色が歪み…私は意識を手放した…。






……………。






それから 目覚めたのはどこだか分からない真っ白な部屋…。


だけど…隣には この真っ白な部屋で唯一の色を持つ…黒髪の男の子がベッドに横たわっていた。



『……だ…れ…？』



ここはどこなんだろう…なんでこんな所に…



そんな事を考えているとー…、




"……君は…吸血鬼なの…？"




ふと 男の子が話しかけてきた。




『…あ…えっ……と…吸血鬼…？』




"その様子じゃ 違うみたいだね。…それじゃあ なんでこんな所に…？"





『…よく…分からない…』




"……そっか…記憶まで奪われたみたいだね…"




その男の子は…訳のわからない事ばかり言うが…なぜか 話していて不思議と安心できた。





"君のお父さんとお母さんは？"




『……しんじゃっ……た？…事故で……あれ？』




"…やっぱり…無理矢理 かえられてる…"




『……？』




"ねえ…僕 そろそろ ここも飽きてきたし出ようと思ってたんだけど…一緒に来る？"



『……え…？』




"というか 来て"





そう言うと 私のことを抱え 走り出した…。




途中で すれ違った人達が騒ぎ出し『化け物が逃げ出したぞ！』『サーヴァンプもだ！！』…なんて 叫んだり追ってきたり 大変な事になってきていたが、男の子はかわらず走り続けた…。






"ー…よし…ここまで来れれば良いかな…"





下ろされたのは 真っ暗な森なのか林なのか….




『…ここ…は…？』





"んー…森？…まあ とりあえず…君の家に戻ろうよ。家の場所は覚えてるでしょ？"




『…？…うん…。』





私達は… 真っ暗な道を二人で歩き出した…。

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