【SERVAMP】吸血鬼の憩いの場 ４【女主】

169話 "色欲"と"罪" ページ26

や｢…そうですか…坊ちゃんがお元気そうで何よりです…。｣



私が出会った時の有栖院さんの事を話すと、三人とも どこかホッとした表情を浮かべていた。



真｢みんな…御国さんのことすごく心配だったんですね…なんか ほんとに…"家族"みたい…。｣



や｢家族…そうですね…本当に"家族"なんですよ、この家は…。
使用人は全員住み込みでお互い子供のころからしっていますしー…｣



そう言った時…一瞬 寂しそうな表情を浮かべたやまねさんと目があった気がしたー…。



『…ｯ…(あの時…のかな…)』



なんだか 申し訳ない気持ちになる…。



洞｢…それに…この家の人のほとんどは もともと"孤児"なんすわ。

ー… 俺や三月もね…。｣



寂しそうに笑いながら 話始める洞堂さん…。



洞｢リリイが拾ってくるんすわ。…捨てられた子、虐待や育児放棄…親にうまく愛されず死にかけた子をね…。


でも…リリイがみつけたときにはもう亡くなってた子や 連れてきたけど助からなかった子は…

ー…リリイが『下位吸血鬼』にしてるんすよ。｣



あんなに元気で…可愛らしい子供達…、

みんな そんなに辛い過去があったんだー…。



いつも笑顔だったから…気づいてあげられなかった…本当は 寂しかったのかもしれない…


有栖院家に来て…"愛"を知って…、


"生まれてきてよかった"…そう思えただろうか…。



洞｢俺や三月は運よく"死に損なって" …こうして生きて大人になれた。

リリイがなんで そんなことをするのかは俺は知らないすけど…、


ー…なんだか変すよね。


"色欲"を司っているはずの吸血鬼が…その罪の償いに奔走してるみたいで…。｣



リリイさんは…伝えたいんだ…


うまく愛されなくても…


うまく愛せなくても…




洞｢あれは まるで…色欲(リリイ)の"懺悔"のようで…。｣




"生きていてくれて良かった…"


"ごめんなさい…"





本当はどんな命でも…



ー…"愛されて生きる権利"があるんだ…



って…伝えたいんだ…。




洞｢…俺は リリイにもこの家にも感謝してる。…俺には 吸血鬼の存在がいいとか悪いとかは よくわかんないすわ。


ー…"サーヴァンプ"って何なんすかね…。｣




ー… "サーヴァンプ"…




彼等は 何の為に 生まれてきたのだろう…。


罪ってなんだろう…


愛って 何なんだろうー…。




『……彼等は…』



皆の視線が私に集まる…。



『…彼等はきっと…"意味"を持って生まれてきたんだと思います…。』

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