1.ワケアリな彼 ページ1
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これは王子さまみたいなオトコノコと、いわゆる普通の年上女の
半年間の恋のお話。
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「はじめまして。大野です…」
背中を丸めて立つその子を見た瞬間、赤ちゃんみたいだと思った。
下がった眉毛
ふっくらしたほっぺ
真っ赤な唇
肩までの髪の毛は、金に近い茶色に染められている。
社長から
「ちょっとワケアリなの預かることになったから、面倒見てやって」
と言われたのが2日前。
私が勤めるデザイン事務所「YAMADAデザイン企画」は、東京の下町にあって、社員は社長と社長の奥さん、私と私より一つ下の矢本くんの4人だけ。
スーパーのチラシや、地元の広告なんかで、ようやく食いつないでいるような小さな会社だった。
だから社員を新たに雇う余裕なんてあるはずないのに…
なんでまた急に?
不思議に思い社長に尋ねると
「ちょっと昔の知り合いに頼まれちゃってさぁ」
と頭をぽりぽりと搔いた。
そして、はぁーと深いため息をつきながら話しはじめた。
「そいつアイドルなんだよね」
「アイドル?」
「ジャニーズ知ってる?」
「知ってる、知ってます!光GENJI好きでした!ってことは、男の子?」
「そそ」
「で、なんでまたジャニーズがうちに?」
「うーん、それはだな……」
眉間にしわを寄せて言い淀む。
これは何か隠しているに違いない。
「社長?」
「あー、わかったよ!言うよ、言う!俺ね、昔ジャニーズジュニアだったの!」
「ええええええ!」
社長、確かに顔は可愛らしいけど、ヒゲ面の35歳よ?
体型だってガッチリしてるし、胸毛ボーボーだし。
「あ、今、疑ったろ」
「んーちょっとだけ…」
「俺だってな!昔は痩せてたし、こんなに毛も生えてなかったんだよ!って、そんなことはどうでも良くて…まあ、つまり、ジャニーさんに、ちょっとだけそいつを預かってくれって頼まれたわけ」
「はぁ…」
「なんか、デビューさせたいんだけど、本人、どうも事務所を辞めたがってるんじゃないかってジャニーさんが疑ってて?」
「はぁ…」
「絵描くのが好きだから、今のうちにガス抜きさせて、その気にさせたいんだと」
「はぁ…」
「ま、そんなわけで、あさってからバイトに来るからよろしくな」
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こうして、その赤ちゃんみたいな男の子はうちの事務所で働くことになった。
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かおりん(プロフ) - さとみんさん» 申し訳ありません。それは個々でお調べいただくようお願いしますm(_ _)m (2019年2月20日 20時) (レス) id: 06acd18c63 (このIDを非表示/違反報告)
さとみん(プロフ) - どうやってやるんですか? (2019年2月20日 20時) (レス) id: 040848bddf (このIDを非表示/違反報告)
かおりん(プロフ) - さとみんさん» フラグ設定してないと読めないです。 (2019年2月20日 18時) (レス) id: 06acd18c63 (このIDを非表示/違反報告)
さとみん(プロフ) - 初めての夜ってどこにありますか? (2019年2月20日 0時) (レス) id: 040848bddf (このIDを非表示/違反報告)
かおりん(プロフ) - 桜兎さん» フラグなのでコンテンツ設定でフラグ作品が読めるように設定してもらえると一覧に出てきます! (2019年2月10日 21時) (レス) id: 06acd18c63 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:かおりん | 作成日時:2019年1月15日 15時