27色 ページ29
『前、座ってもいいか？』
「あっ……はい。どうぞ。」
『悪ぃな。』
1人ポツンと蕎麦を啜る、紅白頭の少年。轟くんに了承を得て、彼の前に座る。
"ランチラッシュの新メニュー" という文言に惹かれ買ってみたパニーニからは、ホクホクと軽く湯気が立っている。
「あの……もう体は大丈夫なんですか？」
『ん？あぁ、平気だよ。あのくらい』
まだ温かいパニーニにかぶりつく。塩っけのあるハムが旨味を運び、酸味のあるトマトが口の中で弾ける。遅れてやってきたブロッコリーのつぶつぶ食感と、それら全てを包み込むチーズのまろやかさ。
弾力のある、パリッと焼けたパンの香ばしさが鼻から抜ける頃には、その美味しさに思わずため息を吐ついていた。
最近、よく聞くようになったパニーニという食べ物が一体どういうものなのか気になっていたんだが、これは美味い。
ペロリと1つ目を平らげて2つ目に手をかけた。
「あの……」
遠慮気味な声に、口元に運びかけたパニーニを持つ手を止める。声を掛けてきた当の本人は困ったように眉を下げ、言いづらそうに視線を彷徨わせていた。
うん。そんな表情もイケメンに見えるんだから美形というものは色々とずるいわ。
しかし俺には彼がこんな顔をするのも、何を訊きたいのかも予想できているのだ。
『あー……。あれだろ。なんで轟くんのことあんなに
知っていたのか、だろ？』
「はい。」
真面目な顔して頷いた轟くん。それに合わせるために俺も手に持っていたパニーニをトレイに置いた。
『轟くんのオヤジさん、炎司さんとは知り合いでな。
轟くんの話はよく炎司さんから聞いてたんだよ。』
「アイツから……」
アイツて。仲悪いとは聞いていたが、炎司さんの名前出すだけでそんな顔する？凄いよ。憎しみこもってるよ。
心做しか「アイツのせいで……」とか聞こえる気が……。
やめてあげて!! あの人あれで親馬鹿なのよ!!?
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アポぱーい(プロフ) - 楽しみです！ (2019年1月1日 15時) (
レス) id: 49e63ddf78 (このIDを非表示/違反報告)
祟璃(プロフ) - 奨学金制度は大学や専門校からなので高校ではないような...？まぁ夢小説なのでなんでもあり。色川先生めちゃめちゃ可愛いです。設定が好み...。更新頑張ってください！ (2018年6月26日 0時) (レス) id: 53235c3c55 (このIDを非表示/違反報告)
匿名希望 - 設定も面白いし、楽しく読ませていただいています。登場人物の言動等が分かりやすく、面白いです。オチは常闇くんが...いや、相澤さんがいいな、と思います。勿論爆豪くんでも素敵な話になるとは思いますが...。どうでしょう?これからも頑張って下さい。 (2018年4月30日 14時) (レス) id: 3206c6b5eb (このIDを非表示/違反報告)
白 - もちろん私は轟くんですね！！！(選択肢にない←)それ以外なら、相澤先生ですね！！頑張ってください！応援しています！ (2018年4月30日 13時) (レス) id: 4ca1535a60 (このIDを非表示/違反報告)
藻。 - すごく面白いです！登場人物の一挙一動が手に取るようにわかる、読みやすい文体だと思いました。更新頑張ってください！ちなみに相澤先生オチがいいです。めっちゃカッコいいですよね、もちろん夢主さんも！ (2018年4月30日 11時) (レス) id: e1a43b0c42 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：戴天の白 | 作成日時：2018年3月28日 12時
