64話 ページ22
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数分後、ラミアの立っていた部屋から、真っ青な顔をしたベイルが勢いよく飛び出した。
それはラミアが「10秒以内に来ないと殺す」と脅したからである。少し可哀想な気もするが、ここは関わらない方が身のためだろう。
「遅い!!10秒以上経ってるんだけど、いつまで待たせる気なのよ?!」
「ご、ごめんなさい!ごめんなさい!って、な…何持ってるんですかラミア……さん?!」
尻餅をつきながら後ずさるが、背には壁がありこれ以上動くことは出来ない。そしてベイルの目線はラミアの右手に現れた数センチ程の光の弾丸。これは本気で殺そうとしている。
それを見かねたサクヤは、ベイルに助け船を出す事にした。
「まあまあ、ラミア。今回なこれで許してよね?それにもう少しで遅刻になるから……続きは昼休みで良いんじゃないかな?」
助け船を出しているようにもみえるのだが、さりげなく酷いこと言っている。
「まあ、それも一理あるわね……お楽しみは最後にって言うものだから、また後でにするわ。」
「さ、サクヤ〜!酷いよ〜……」
うあーんと泣きべそをかいているベイルをよそに、さっさかと廊下を歩いていくラミア。それに続いてサクヤとロアも歩き出す。
「あっ、待ってくださいよ〜サクヤ様〜!」
と、小走りでサクヤに抱きつこうとするルナ。
ソフィアはベイルを助けたらいいか、ラミア達に付いていくべきか迷い、右往左往していた。
この短期間で、随分この生活に馴染むようなった。初めの頃は何も分からず、手取り足取り教えて貰ったり、そこの四人以外のクラスメイトとはあまり話すことは無かったりしたが、今はすっかり冗談も言い合えるほどにまでなっている。
一方ルナは、元から明るい性格だったので、人種の関係で少々抵抗もあったが、サクヤよりも早く友達が出来て、学園に来る前よりも笑顔が多くなっていた。
自分とルナは血は繋がっていないが、彼女を家族同然のように育てて来たサクヤは、彼女のそのような姿はとても微笑ましかった。
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如月唯奈(プロフ) - 今日から新しい時代が始まりました!今時代(?)こそ良いことが起こりますように!そして、この小説で一位をとってみたいなんて、贅沢を言ってみる(笑)これからもよろしくお願いします! (2019年5月1日 3時) (レス) id: 0a57facb33 (このIDを非表示/違反報告)
如月唯奈(プロフ) - 黒桜さん» コメントありがとうございます!久し振りのコメントなので嬉しいです(*T^T)更新は遅くなりますが、これからもよろしくお願いします! (2019年4月17日 18時) (レス) id: 0a57facb33 (このIDを非表示/違反報告)
黒桜(プロフ) - ストーリーも、イラストも私の大好きな世界観です!毎回更新楽しみにしています! (2019年4月16日 22時) (レス) id: 81872cb428 (このIDを非表示/違反報告)
如月唯奈(プロフ) - 暗黒桜さん» ホントだ!ありがとうございます! (2019年3月23日 7時) (レス) id: 0a57facb33 (このIDを非表示/違反報告)
暗黒桜(プロフ) - 如月唯奈さん» 57話が2回ありますよ! (2019年3月23日 0時) (レス) id: 9ef58b7b9f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:シャル(如月唯奈) | 作成日時:2019年1月15日 22時