#06 ページ7
「A、そこのカードが揃っていますよ」
「…？」
「それじゃなくて左の…」
「あの、拙者の前で堂々とイチャイチャしないでクレメンス」
A氏が部活見学に来たところまでは普通だった。でもこの兄弟は絶対に普通じゃない。さっきから距離感っていうか、アズール氏の過保護っぷりが凄い。二人が普通じゃないことくらい薄々気がついてたけど…
「嫉妬ですか？後輩相手に見苦しいですよ」
その発言が拙者のプライドに深く深く突き刺さった。
自慢気な笑みを浮かべながら なかなかイタイところを突いてくるアズール氏に思わず饒舌に反論してしまう
「はあ〜〜〜〜これだから盲目は…
別にA氏がアズール氏の膝の上で呑気にトランプやってるのが羨ましいとかそんな感情一切ございませんが？拙者だけ除け者にされてても何とも思いませんが？勝手にイチャイチャしてろと言いますか」
「！」
「ヒュッッッ」
哀れな拙者を慰めるようにそっと隣に座ってくれたA氏。ちいさないのち…
もうトランプなんてどうでもいい。今日からA氏は拙者の推し。華もクソも無い男子校生活での唯一の癒し。なんなら寮も同じだし勝ち確なのでは？
一人で脳内会議をしていると拙者とA氏の間に割り込むようにアズール氏が乱入してきた。
「楽しそうですね、僕も仲間に入れてください」
「ちょっ、どう考えてもこの距離は狭いでしょ」
「ああ、僕 暗くて狭いところが落ち着くんです」
「一人で蛸壺にでも籠っててくだされ」
このあとも口論は続き、なんとかA氏はここに入部する事になった。アズール氏は終始 不満そうだったけど
続く (更新停止中)
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作者名：如月るむ | 作成日時：2023年12月8日 20時
