EP.19_1 ページ20
仕事の合間に中村ちゃんを連れて軽い休息を取りに部署を出た。話しながら少し遠くにある自販機に向かえば、自販機の前に見慣れた立ち姿が一つ。くるりと辺りを見回して、その静けさと人の居なさをしっかりと確認してから少し遠くから声をかけた。
「ハヤトじゃん、おつ〜」
「あ、Aと……中村さんでしたっけ。こんな所で会うなんて珍しいですね、お疲れ様です」
「こ、こんにちは！」
「ふふ、そんなに堅くならなくてもいいんですよ？ どうせ私も、Aの前なのでラフになりますしね」
「ハイッ！」
「余計に圧かけたみたいになっててワロタ。飲み物何買ったの？」
「普通にコーヒーですよ、なんか奢りましょうか」
「いいよ別に、むしろ私は奢りたい人間だから」
「言うと思いました。どうせ中村さんに奢るつもりだったんでしょう」
「そらそうだよ。普段頑張ってもらってるから、飲み物ぐらいは奢ってやんないとねえ。中村ちゃん何飲みたいー？」
「えっと……じゃあ、ココアで」
「はーい。百四十円……」
十円玉あるかな、と財布の中を覗き込む。十円玉に擬態している五円玉を指先で退けながら一枚、また一枚と十円玉を拾い上げる。
「げ」
「どうしたんです？」
「百四十円なのに、十円玉が三枚しかない。五十円玉あったっけ……」
五十円玉も百円玉に擬態しやがるので探す時に厄介で仕方がない。五円玉と五十円玉はもうちょっと違う色しててもいいと思うんだ。パッと見マジで区別つかないから、青とか緑色とかになってくれねえかなぁ。もしくはゲーミング小銭。流石にそれは嫌だな。なんて下らないことを考えていたら五十円玉を発見。飲み物買うのに時間かけてらんない、と顔を上げた瞬間にチャリンとお金が入る音がした。投入額を表示するモニターには「10」の文字が表示されていて。
「……ハヤト？」
「はい？」
「何してんの？」
「何って、Aが十円足りないって言うから……」
「別に十円貸してくれって意味で言ったんじゃねえよ……！ やめろよマジで、カッコつかねえじゃんか」
「いやいや、飲み物を奢ろうとするその意欲だけで十分かっこいいですよ」
はぁ〜、とため息をつきながら残りのお金を投入する。鈍い音を立てながら落ちてきたココアを拾い上げて中村ちゃんに手渡せば、少しくすぐったそうに笑った。理由を問えば「お二人って本当に仲良しですね」と嬉しそうに言う。その言葉に大学時代の友人を思い出した。
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毒猫ちゃん - 好み…ドストライク…最高です… (9月14日 4時) (
レス) @page22 id: 7d4f953b5d (このIDを非表示/違反報告)
如月1123(プロフ) - 零人さん» わー、いつもコメントありがとうございます！！命救いました() 旅行系のお話いいですよね……。応援して頂けてめちゃめちゃ嬉しいです、無理なく頑張りますのでこれからもよろしくお願いします！！ (2022年11月7日 7時) (レス) id: 6bb8b6637d (このIDを非表示/違反報告)
零人(プロフ) - 更新ありがとうございます。命が一つ救われました()温泉旅行、、、、社長と、、、、、、。更新は無理せず頑張ってください。応援してます！(←こいつもめっちゃサボってます) (2022年11月6日 8時) (レス) @page14 id: 94faa0a05d (このIDを非表示/違反報告)
如月1123(プロフ) - はわわさん» コメントありがとうございます、続編まで来ちゃいましたよ…！今後とも皆様に楽しんで頂けるような、かつ作者の趣味全開の物語を頑張って紡いでいければと思っておりますので、どうぞよろしくお願い致します！！ (2022年9月26日 5時) (レス) id: 316392659a (このIDを非表示/違反報告)
如月1123(プロフ) - 零人さん» コメントありがとうございます、まさかこちらの方でもコメントして頂けるとは…！恋人になって今後どのような展開になっていくのか、温かい目で見守って頂けると幸いです！どうぞよろしくお願い致します！！ (2022年9月26日 5時) (レス) id: 316392659a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：如月1123 | 作成日時：2022年9月25日 16時
