格子なき檻 ページ44
神山side
朝早く、目が自然と覚める日は
神｢…。｣
大体あんまり良くない日
見たくないもの見て、騒がれて
─黙れや、うるっさいねん
神｢また、か…｣
心から打ち上げられた小さなSOS
1粒の水滴が目から頬を伝うと涙、という名前が与えられるのはなんでなんやろか
そのたった1粒の水滴が道を作って
神｢はぁ…｣
その道を沢山の水滴たちが通っていく
その後、水滴たちは結集して塩分の混じった水溜まりが手の上に出来るのだ
感じるのはただ
神｢深い怒りと真っ暗な孤独…みたいなね｣
誰がポエマーや
分かってんねん、こういう日は何もしちゃいけない
だってこういう日は
神｢…あんまっ｣
いつも部屋にストックしている美味しいチョコでさえ甘ったるく感じてしまうから
世の中甘ったるいことだらけ
大人なんて余計に
都合が悪くなるといつも記憶にない
酒か、はたまた忘れっぽくなったという定型文
まるでほんとの事を中に隠したフォンダンショコラみたいに
年のせいというアイスクリームも添えて
…だから俺はポエマーやないって
まぁそんな俺も大人の仲間入りはとっくにしてんねんけどな
軽く自分のパジャマの袖を伸ばして落ちてきた水滴たちを拭う
大丈夫、泣くのは得意や
目を赤くせずに泣く方法だって、泣いたあと腫れずにすむ方法だって知ってるから
でもそれよりも早く
重｢…神ちゃん｣
いつもこいつが勘づいてしまうんだ
神｢おはようしげ｣
俺の座るベッドの隣にぽすりと腰を下ろした
重｢なんとなく、神ちゃん泣いてんのかなって思って来てもうた｣
これもまたいつものセリフ
彼の俺に対しての｢野生の勘｣アンテナはものすごく正確なんよな
だからしげに嘘をつくときは上手くいかない事が多いねんな
勘が働かない時っていうのはサプライズとか
自分が関わることとか
俺の気持ちとか
…なーんちゃって
重｢今日はお休みし？この後熱なるやろ｣
神｢…なんであの夢見たって分かるん｣
そう、この夢の1番厄介な所は大抵その日中に熱を出すこと
重｢いつも言ってるやろ？神ちゃんの目見たらなんとなくわかるねん｣
優しい声で、優しい顔で頭を撫でられてしまえば、俺は簡単に溶かされる
神｢ん｣
素直に元の体制に戻れば、またしげは俺の頭を撫でた
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如月なつ(プロフ) - ニコニコさん» コメントありがとうございます！これからもよろしくお願いします！ (2021年10月7日 8時) (
レス) id: e4d9d6f26f (このIDを非表示/違反報告)
ニコニコ - まじでこのお話が大好きですこれからも更新頑張ってください！！ (2021年10月6日 23時) (レス) @page35 id: 43a86f40a2 (このIDを非表示/違反報告)
如月なつ(プロフ) - もちさん» ぴゃー！！！(By重岡)(？？？) (2021年9月17日 22時) (レス) id: e4d9d6f26f (このIDを非表示/違反報告)
もち - 神ちゃんが可愛いすぎるぅぅぅぅ！！ (2021年9月17日 20時) (レス) id: e736566183 (このIDを非表示/違反報告)
如月なつ(プロフ) - もちさん» コメント、評価ありがとうございます。今から泣いてきます(？) (2021年9月11日 23時) (レス) id: e4d9d6f26f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：如月 なつ | 作者ホームページ：
作成日時：2021年2月18日 0時
