あかり、ひかり ページ29
藤井side
過去を話した日にまだ咲いていた桜はもう既に散ってしまった
そんなある日の夜明け、何かが動く音で目が覚めた
藤｢ん…｣
ぼやりとした視界の中で何かと目が合った
月明かりに照らされてよく見える女…
女！？
慌てて飾ってあるハンドガンを構えてハンマーを起こす
藤｢だ、れや｣
｢あ、あ、｣
ガタガタと震えている
近寄ると後ずさる
壁についた時、女は諦めた顔をした
震えが止まっているし、どこかほっとしているようにも思える
｢へへ、はよ殺してください｣
藤｢も、くて、きは？｣
｢…生憎、口止めされてて｣
困ったように微笑む女
藤｢こ、い｣
手を掴んでリビングに行っても明かりはついておらず、誰も起きていなかった
まぁそうよな、今4時やし
もう一度上の階に戻る
｢あの｣
そんな声も完全無視
どうしよう
このたった5文字が俺を焦らせる
なんで警報はならんかった？
何故こいつは抵抗もせずのうのうと着いてくる？
これもまた罠なのか
そして相手が女、どこからどこまでが演技なのか
正解が分からず焦りが増す
小型カメラとか着いてたら顔映さんようにせんと
ふと赤のプレートがかかったドアが少し開いていて、そこから明かりが漏れていた
心が軽くなった
藤｢ら、いおん｣
ノックもせずに開ける
回る椅子をくるりと回してcode:Lionがこちらを向いた
重｢あぁ、code:Wolfの音やったか｣
そう言って微笑むと、女の手首を掴んで俺から離した
重｢Wolfはちょっと待っとってなぁ？｣
そう言うと女とともにどこかへ消えた
多分、地下。拷問部屋にでも縛っておくんだろう
しばらくして帰ってきたしげ
重｢大丈夫か｣
怖かったけど、少しのプライドから頭を上下に振った
重｢ふふっ、流星は素直やないなぁ？｣
左目下の笑窪が出来るしげの笑みはなんだか俺をほっとさせる
重｢今日なんか起きとった方がいい気がするなー思て起きとってん。正解やったわ｣
神ちゃんには怒られるやろうけど、そう呟いてまたへにゃりと笑う姿になんだか涙腺が刺激された
重｢あーあー、泣かんといてや？怖かったな？｣
頭に温かみ
普段は5歳児のはずなのに、なんでこいつはこういうとき余裕があるのか
重｢流星は今ちょっと精神不安定なんよな、きっと。大丈夫やで、流星が裏切らない限り死ぬ時まで一緒や｣
そう言ってまた微笑んだ
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 416人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
如月なつ(プロフ) - ニコニコさん» コメントありがとうございます！これからもよろしくお願いします！ (2021年10月7日 8時) (
レス) id: e4d9d6f26f (このIDを非表示/違反報告)
ニコニコ - まじでこのお話が大好きですこれからも更新頑張ってください！！ (2021年10月6日 23時) (レス) @page35 id: 43a86f40a2 (このIDを非表示/違反報告)
如月なつ(プロフ) - もちさん» ぴゃー！！！(By重岡)(？？？) (2021年9月17日 22時) (レス) id: e4d9d6f26f (このIDを非表示/違反報告)
もち - 神ちゃんが可愛いすぎるぅぅぅぅ！！ (2021年9月17日 20時) (レス) id: e736566183 (このIDを非表示/違反報告)
如月なつ(プロフ) - もちさん» コメント、評価ありがとうございます。今から泣いてきます(？) (2021年9月11日 23時) (レス) id: e4d9d6f26f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：如月 なつ | 作者ホームページ：
作成日時：2021年2月18日 0時
