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藤｢望暖かい｣
にっと上がる右の口角には赤黒くて痛々しいかさぶたができている
思わず手を伸ばすと流星がぴくりと動いて固まった
小｢ごめん、俺のせいで｣
藤｢ふっ、望のせいちゃうで？これは望を守った証｣
そう言うと、彼は自分の過去を話してくれた
沈みかけの夕日、水面の煌めき、桜の花びらの乗る風、目を潤ませる流星
なんだか遠くに行ってしまいそうな儚さをもつ彼に、思わずきゅっと腕を抱きしめた
藤｢どした？｣
小｢…なんでもない｣
帰ろ、と流星の腕を引っ張った
藤｢歌いながら帰る？笑｣
小｢それなんか小学生みたいやん笑｣
なんていいながら、結構小さめに歌いながら帰った
｢サヨナラ｣なんかじゃ終わらせないって
｢何時に帰ってきてんねん！いつもはもっと早いやろ！望の勉強時間減らしてどうすんねん！｣
ガン、と音がする
怖くて目が開けられない
ごめんなさい、流星と何度も心の中で謝ることしかできない
藤｢申し訳ござ｣
｢しゃべんな気持ち悪い｣
その声に驚きで目を開けた
小｢おとん…｣
今までほとんど姿を見せて来なかったおとんが初めて流星に怒った
｢ってかお前もや、なんでこんなクズ貰ってきてん｣
｢ごめんなさい…もっと使えるかと…｣
パチン、と乾いた音が響く
｢こんな気持ち悪いもん拾ってきやがって
やっぱあん時殺すべきやったわ｣
小｢流星は気持ち悪くな｣
｢望？クズからはクズしか産まれないってこと、おかんは知らなかったみたいやから覚えとき？｣
にっこり微笑まれて固まった
｢久々に見てもあのクズにそっくりやなぁ、顔も声も。目障りやわぁ笑｣
特に声、と発したおとんは流星の首を蹴った
｢望にはクズとクズじゃない人の見分けくらいついて貰わんとなぁ？｣
久々のおとんの拳が降ってくる
あぁ、久々の痛いやつやなぁ、と目を瞑った
…のに降ってきたのは温かみ
目を開ける
小｢兄ちゃん…｣
俺の上には流星が、兄ちゃんが、覆いかぶさっていた
｢おーおー、気持ち悪いやつが望に触んなや｣
ぐっと引き剥がされてまた殴られてる
小｢にい、ちゃ…｣
｢望？お前に兄ちゃんなんか居らんで？そいつは親子共々クズや、気持ち悪い｣
流星の口がはくはくと動く
｢ストレスで喋れへんくなったか？｣
そのまま流星はおとんに連れてかれた
…翌日から流星は姿を見せなくなった
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如月なつ(プロフ) - ニコニコさん» コメントありがとうございます！これからもよろしくお願いします！ (2021年10月7日 8時) (
レス) id: e4d9d6f26f (このIDを非表示/違反報告)
ニコニコ - まじでこのお話が大好きですこれからも更新頑張ってください！！ (2021年10月6日 23時) (レス) @page35 id: 43a86f40a2 (このIDを非表示/違反報告)
如月なつ(プロフ) - もちさん» ぴゃー！！！(By重岡)(？？？) (2021年9月17日 22時) (レス) id: e4d9d6f26f (このIDを非表示/違反報告)
もち - 神ちゃんが可愛いすぎるぅぅぅぅ！！ (2021年9月17日 20時) (レス) id: e736566183 (このIDを非表示/違反報告)
如月なつ(プロフ) - もちさん» コメント、評価ありがとうございます。今から泣いてきます(？) (2021年9月11日 23時) (レス) id: e4d9d6f26f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：如月 なつ | 作者ホームページ：
作成日時：2021年2月18日 0時
