【HXH】 白の救世主

26話「騙されるな」 ページ30

霧が晴れて徐々に周りがはっきりと見えてくる

ここは…

「ヌメーレ湿原、 通称 詐欺師のねぐら 二次試験会場へはここを通って行かないといけませんこの湿原にしかいないきかいな動物たち その多くが人間を欺いて食料にしようとする狡猾で貪欲な生き物です

充分注意してついてきてください
騙されると、死にますよ」

サトツさんは続ける

「この湿原の生き物はありとあらゆる方法で獲物を欺き捕食しようとします

標的を騙して生物たちを食い物にする生物たちの生態系 詐欺師と呼ばれる所以です

騙されることのないようしっかりと私のあとをついてきてください」

受験者たちの顔色が変わった
レオリオさんは余裕のない顔で
「ケッ ふざけた話だぜ、
騙されるのがわかってて騙されるかってんだ！」


＿＿騙されるな！

「あぁ？だから騙されねえって」

声がした方へ顔を向けると
ボロボロになった男の人が居た
「騙されるな… そいつは… 嘘をついてる！」

彼が指をさした先は サトツさん

「そいつはニセモノだ 試験管じゃない！俺が本物の試験管だ」

彼の言葉に周りがざわつく…「どう言うことだよ！？」「じゃあ こいつは 一体…」

「こいつを見ろ！」
奥から引っ張り出したのは サトツさんそっくりの猿？だった

「ヌメーレ湿原に生息する人面猿だ 新鮮な人肉を好む しかし 手足がもろく力が弱い そこで
人間に化けて言葉巧みに湿原に連れ込み他の生物と手を組み食い殺す
そいつは 受験者たちを一網打尽に『ちょっと待ってください』-あぁ？」

『それってあなた自身のことを言ってるようにしか私は聞こえません』

みんな私の言葉に疑問を持ち始める

『他の生物と手を組む、その人面猿がそうなんじゃないんですか？ だってその猿 寝てるふりしてますよ？
あと 人間に化けること… 確かにサトツさんは人面猿にそっくりです、でも彼自身が騙されるなと忠告するなんて考えにくいと思います』

するとまたざわめく サトツさんを疑ってる人は少なくなったけど…

＿不意に何かが風を横切った

ドサっと音を立てて倒れたのはさっきの男の人
サトツさんはいつの間にかトランプを手に持っていた 「 ふふ なるほどなるほど これで決定 そっちが本物だね」あぁ いつかのピエロさんだ

寝たふりの人面猿が叫びながら逃げていった
猿を目で追っていると ピエロさんたちの話を逃してしまった とりあえず一件略着？

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