兄さん、殴っていいですか？part2 (ページ11)

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引き取られるというより、誘拐されただな

俺は誘拐された研究所でも、いじめられた

理由は知らない

興味すらなかったからな

知ろうとしなかったんだろう

退屈してたある日、俺は大人達の話を聞いてしまった

この研究所では『吸血鬼』について研究していた

そして、俺を吸血鬼にするって話を聞いてしまった

そのときの俺は不気味なくらい冷静だった

今でも、なんで冷静だったのかが分からない

その話を聞いた1週間後、俺は吸血鬼になった

どんな研究で吸血鬼になったのかは知らない

大人達は喜んでいた

狂気的に笑って、舞って、喜んでいた

その光景を見た俺は

「血が飲みたい。ノドが渇いた」

そう思った

吸血鬼だからなのか、血が飲みたくてたまらなかった

だけど、それは出来なかった

なぜなら、俺は地下牢に閉じ込められていたから

地下牢の掃除に来る子供達は俺を腫れ物のような目で見た

時々、ゴミだって投げてきた

歳を取らないのが不気味だったんだろう

大人達は俺を興味津々な目で見た

俺は無性にイラついた

でも、我慢した

我慢に我慢を重ね続けた

そんなある日、1人の子供が俺に向かって言った

「早く俺の前から消えてくれ」

その言葉を聞いたとき、俺はその子供を殺した

その子供の近くにいた奴も殺した

次から次へと来た奴らも殺した

最終的に全員殺していた

殺し終えたとき、キレイな赤い満月が見えた

俺はボーっと赤い満月を見つめていた

10分、20分、1時間、ずっと見つめていた

そのとき

「見ィつけた」

聞き慣れた声が聞こえた